『となりのトトロ』原作はある?映画と小説の関係を解説

『となりのトトロ』には原作の小説や漫画があるのでしょうか。同じタイトルの本を見つけると、「この本を映画にしたんかな?」と気になりますよね。

最初に答えると、『となりのトトロ』は、既存の小説や漫画を映画化した作品ではなく、宮崎駿監督によるオリジナルのアニメーション映画です。一方で、久保つぎこさんが文章を担当した『小説 となりのトトロ』も刊行されています。

ここで大事なのは、「映画のもとになった原作小説」と「映画の物語を文章で表した小説版」は違うということです。

この記事では、映画の原作者、小説版の著者、それぞれの関係を整理します。まずは、「原作はないと聞いたのに、公式情報には原作と書いてある」という疑問から見ていきましょう。

『となりのトトロ』に原作はある?宮崎駿監督のオリジナル作品

スタジオジブリの公式作品ページでは、『となりのトトロ』の原作・脚本・監督はいずれも宮崎駿と記載されています。映画の公開日は1988年4月16日です。

確認元:スタジオジブリ公式『となりのトトロ』作品情報

つまり、物語の原作者と、その物語を映画として形にする脚本家・監督が同じ人物なのです。

「原作」と聞くと、映画より前に出版された小説や、連載されていた漫画を思い浮かべやすいですよね。しかし、映画のクレジットにある「原作」という言葉が、必ずしも別の原作本の存在を示すわけではありません。

『となりのトトロ』の場合は、宮崎駿監督が生み出した物語を、宮崎駿監督自身が脚本にし、監督した作品と整理すると分かりやすくなります。

「原作なし」より「原作小説・原作漫画はない」が正確

検索者の疑問に短く答えるなら、「トトロは原作なしのオリジナル映画です」という説明でも意味は伝わります。

ただし、それだけでは公式の「原作・脚本・監督:宮崎駿」という表記と食い違って見えるかもしれません。

より正確に伝えるなら、「映画化のもとになった既存の原作小説や原作漫画はなく、原作者は宮崎駿監督」という言い方になります。

「原作者がいない」のではなく、「別の作家が書いた本を映像化した作品ではない」。この違いを押さえると、小説版との関係も理解しやすくなります。

『小説 となりのトトロ』はある?久保つぎこさんが文章を担当

映画に既存の原作小説がない一方で、『小説 となりのトトロ』という本は実際に存在します。

スタジオジブリ出版部の公式紹介では、著者の役割が次のように分けられています。

  • 原作・絵:宮崎駿
  • 文:久保つぎこ

この表記から分かるのは、宮崎駿監督による物語をもとに、久保つぎこさんが小説の文章を担当しているという関係です。久保つぎこさんが書いた独立した原作小説を、宮崎駿監督が映画化したという意味ではありません。

公式には、2021年8月31日付でアニメージュ文庫版の愛蔵版が紹介されています。宮崎駿監督の挿絵11枚を、すべてカラーで掲載していることも案内されています。

確認元:スタジオジブリ出版部『小説 となりのトトロ』愛蔵版の紹介

小説版は1988年にも刊行されている

2021年の愛蔵版の案内だけを見ると、「映画から何十年もたって、初めて小説になったのかな」と思うかもしれません。

しかし、国立国会図書館の書誌では、アニメージュ文庫の『小説となりのトトロ』は徳間書店から1988年4月に刊行されたと記録されています。また、同ページの資料紹介では、映画の「ノベライズ版」と説明されています。

確認元:国立国会図書館サーチ『小説となりのトトロ』書誌情報

ノベライズとは、映画やアニメなどの物語を小説の形にすることです。映画と同じ1988年4月の本であっても、それだけで映画の原作本とは判断できません。出版された時期と、作品同士の関係は分けて見る必要があります。

なお、この書誌で確認できる刊行時期は年月までです。映画の公開日と本の発売日の前後を日付単位で決めつけるより、「映画はオリジナル作品、小説はそのノベライズ」という位置づけを押さえる方が、この疑問には直接答えられます。

映画と小説の関係を整理すると、著者の違いが分かる

映画と小説はタイトルが同じなので、検索結果や書店の情報だけでは混同しやすいところがあります。それぞれの役割を並べると、次のようになります。

項目映画『となりのトトロ』『小説 となりのトトロ』
作品の位置づけオリジナルのアニメーション映画映画のノベライズ
原作宮崎駿宮崎駿
脚本・監督/文章脚本・監督:宮崎駿文:久保つぎこ
公開・刊行時期1988年4月16日公開アニメージュ文庫版は1988年4月刊行

「トトロの小説を書いたのは誰?」という質問には、文章を担当した久保つぎこさんの名前が答えになります。一方、「映画の原作者は誰?」という質問の答えは宮崎駿監督です。

同じ作品についての質問でも、物語を生み出した人を尋ねているのか、小説の文章を書いた人を尋ねているのかで、答えるべき名前が変わるんですね。

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