――プロ同士の掛け合いが一番おもしろい一本
暗殺者。
主演は**シルベスター・スタローン。
そして対するのが、アントニオ・バンデラス**。
この映画、
ド派手な爆発や銃撃戦を期待して観ると、
たぶん肩すかしを食らう。
でもな、
この映画のいちばんの見どころはそこちゃう。
プロの暗殺者同士やからこそ成立する、
会話と距離感。
そこが最高におもしろい。
静かすぎるスタローンが、逆にかっこいい
スタローン演じるロバート・ラスは、
とにかく静か。
- 余計なことを言わない
- 感情を表に出さない
- 仕事として人を消してきた男
ランボーみたいな
「暴れ倒す男」を想像してると、
真逆すぎて戸惑うかもしれん。
でもこの抑えた演技が、
くぼんだ目と疲れた表情に
異様にハマってる。
「もう降りたい」
「これ以上、殺したくない」
そんな空気が、
台詞なしでも伝わってくる。
バンデラスの“うるささ”が映画を成立させてる
一方のアントニオ・バンデラス。
- よく喋る
- 挑発する
- 殺しをゲームみたいに楽しむ
正直、
めちゃくちゃウザい。
でも、このウザさがなかったら、
この映画はたぶん成立してへん。
バンデラスが
ペラペラ喋って絡んでくるほど、
スタローンの無言の重みが際立つ。
敵じゃない。「同業者」だから面白い
この2人、
正義と悪の対決ちゃう。
どっちも
- プロ
- 仕事人
- もう普通の人生には戻れない側
だから会話の端々に、
「どっちが上か」
「どっちが本物か」
そんなマウントの取り合いが見える。
撃つより先に、
精神的に潰しにかかる。
ここが、
この映画いちばんの緊張感。
アクションは控えめ。でも意味は重い
暗殺者のアクションは、
派手やけど多くはない。
そのぶん、
一つ一つが「仕事」として描かれる。
- 無駄がない
- 感情が乗らない
- 終わったあとが虚しい
観ててスカッとするより、
「しんどいな……」って感情が残る。
でもそれが、
この映画の正解やと思う。
ランボーとは真逆のスタローン像
ランボーが
「時代が生んだ暴れるヒーロー」やとしたら、
暗殺者のスタローンは、
時代に置いていかれた職業人や。
- 強い
- でも疲れてる
- もう戦いたくない
このスタローン、
派手さはないけど
めちゃくちゃ渋い。
結論:これは通好みのスタローン映画
『暗殺者』は、
- 分かりやすい爽快感は少ない
- 正義も希望も薄め
- でも妙に記憶に残る
そんな映画や。
おもしろさの正体は、
アクションやなくて
プロ同士の会話と間。
スタローンとバンデラス、
この2人の掛け合いを楽しめたら、
間違いなく評価が変わる。
これは
「静かなスタローンが一番かっこよかった時代」
の一本。
派手さを期待せず、
大人の気分で観るのがちょうどええ映画やと思う。
若いやつがのし上がろうとする気持ち
――それがあるから「プロの世界」は成立する
**暗殺者**を観てて、
いちばん刺さったのはここかもしれへん。
若いやつが、
のし上がりたいと思う気持ち。
自分には正直、
もうそんな野心はない。
でも、それがない世界はプロの世界ちゃう。
上にいる人間は、どうしても目障りになる
この映画の若い暗殺者を見てると、
気持ちは痛いほど分かる。
- 実績がある
- 技術もある
- でももう古い
そんな上の人間は、
どうしても邪魔に見える。
「早くどいてくれ」
「自分が一番になりたい」
それくらいの気持ちがなければ、
トップには立てへん。
笑顔で譲る人間は、必要とされない世界
暗殺者の世界って、
めちゃくちゃ残酷や。
- 席は一つ
- 代わりはいくらでもいる
- 情けは弱さ
ここでは
「どうぞどうぞ」
なんて言ってる人間は、
一瞬で消される。
この非情さが、
逆にめちゃくちゃかっこよく見える。
ベテランと若手の対立は、どの業界でも同じ
映画の話やけど、
これってどの業界にもある構図やと思う。
- 若い奴は前に出たい
- 上の世代はまだ譲りたくない
- 両方とも必死
暗殺者という極端な世界を使って、
この映画は
世代交代の残酷さを描いてる。
でも、現実は甘い人たちに囲まれて生きたい
ただな、
正直に言うと――
こんな世界で
生きたいかと言われたら、
答えははっきりしてる。
絶対イヤや。
- 競争ばっかり
- 誰も信用できへん
- いつ足元すくわれるか分からん
現実では、
甘い人たちに囲まれて、
ゆるく、
笑って、
幸せに生きたい。
映画だからこそ、この世界はかっこいい
暗殺者の世界は、
現実やったら地獄や。
でも映画やから、
その非情さが
「様式美」になる。
- 野心
- 対立
- 容赦のなさ
それを安全な距離で観られるから、
「かっこいい」と思える。
結論:憧れるけど、住みたくはない世界
『暗殺者』が面白いのは、
この矛盾をちゃんと描いてるからやと思う。
- 若いやつの野心は正しい
- 上の人間が邪魔に見えるのも自然
- でもその世界は、幸せとは別
だから観終わったあと、
こう思える。
「映画としては最高」
「でも、現実では遠慮しとくわ(笑)」
その距離感があるからこそ、
この映画は
大人になってから観ると、
前より味が出る一本になるんやと思う。