タグ: 地域おこし協力隊

  • #005 タダで借りた家に文句!?ばかり言う協力隊の女の子。でも家を見て全員が納得した理由とは?

    地域おこし協力隊になると家を貸してもらえるようになります。僕が就いた村では家賃なし
    家賃なしって大きくないですか?このご時世。都会の人だったら、東京の人だったら、何十万円も払っている人もおられると思います。
    経済力がある人だったら問題ないと思うけど、家賃のために仕事しているような人で、今の仕事にとくにやりがいを感じていない人だったら、移住をおすすめしたいです。

    そんな家賃タダの家を貸してもらっていても、文句をいってる協力隊の女の子がいました。
    「いやいや、家をタダで貸してもらってるのに、何を文句言ってんの?バチあたるよ!」
    って思ってましたが、あんまり毎日「他の家がいい」と言うので、なら一回その借りている家見せてよ!ってみんなで見に行くことにしました。

    村のメインストリートにある立派すぎる空き家

    家の場所は村のメインストリートにあるところで、かなりいい場所でした。
    家を目の当たりにするとびっくり!でけ〜!
    そこの空き家は地元の不動産屋を営んでおられた家でめちゃくちゃ立派。
    車も何台も停められるし、玄関なんて何足くつ置けるんだ!?

    ちょっと古い建物だけど、品のある応接室にピアノ、レコードもたくさんありました。
    一階だけでも立派な部屋が何室もあって、2階も何室もある。
    2階の1室は畳とかがなくて、ちょっとリノベーションすれば道場でも開けそうな部屋がありました。

    不満ポイント…それでも納得?

    トイレもめちゃくちゃ広いのが2つ。
    残念なところはお風呂がせまいこと。あと洗濯機の置き場が外にある…。
    それぐらいで。

    これの一体何が不満やねん!!
    みんなの借りている家よりも、むしろ村の人の家よりも広くて立派やないかいっっ!!!

    驚きの理由と気づいたこと

    ってツッコミを女の子に入れたら…

    「だから!!大きくて一人じゃ怖いんですっっ!!!」

    …って確かに。
    僕も遊びにきたから平気だったけど、一人で泊まれって言われたら、夜トイレとか怖くて行けないかも…。
    夜中にピアノ鳴ったらホラーやん!

    そう考えると、人って必要以上の広い家っていらないな〜と気が付いた話でした。

    あなたはどう思いますか?
    「タダでも、自分の身の丈に合わない大きな家」は、住みたいと思いますか?

    おわりに──

    最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
    広すぎる家に感じた恐怖から見えた「ちょうどよさ」。あなたはどう思いますか?
    もしあなたが一人暮らしをするなら、どんな家が「ちょうどいい」と感じますか?
    焦らなくて大丈夫。あなたのペースで、自分らしい暮らしを見つけていきましょう。

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  • #004 地域おこし協力隊は変わり者だらけ?

    ――だけど、それが魅力だった。

    僕が地域おこし協力隊として活動していた頃、まわりのメンバーは本当に個性的でした。

    今思えば、みんな「自分の軸」をちゃんと持っていたんです。

    人に対しても、暮らしに対しても、何に対しても「これは好き」「これは嫌だ」がはっきりしてる。
    それって、すごいことですよね。


    自分を大切にしてる人たち

    好き嫌いがハッキリしてるというと頑固に聞こえるかもしれないけど、
    協力隊の仲間たちは、どこかあたたかくて、優しい人が多かった。

    でもその優しさゆえに、「頼まれごとを断れなくて疲れてしまう」という人もいました。

    …たぶん、僕もその中のひとりだったと思う(笑)。

    自分のことを大事にする。自分の気持ちに正直に生きる。

    いまの時代、それができるって、ものすごく大事なことじゃないかなって思います。


    仲間の生き方が教えてくれたこと

    麻績村の協力隊メンバーと過ごすうちに、僕の中にも変化が生まれてきました。

    みんな、すごく自然に「住みたい場所に住んでみる」っていう決断をしていて。

    その姿に、僕は思いっきり背中を押された。

    そして僕は、長野県から兵庫県の豊岡市へと移住することに。

    特に印象に残っているのは、大学を休学して協力隊として活動していた22歳の学生の子。
    僕は当時33歳。

    年齢差はあったけれど、その子の行動力と視野の広さには心から感心しました。

    任期を終えた後、その子は大学をきちんと卒業し、
    今では村の近くで就職しながら、地域とのつながりを保っているそうです。


    20代に戻れるなら、僕は迷わずこうする

    若い頃、僕は県外に出てみようなんて一度も思わなかった。

    でも、もしタイムマシーンで20代の自分に会えるなら、こう言いたい。

    「いろんな地域に住んでみろ!合わなかったらまた戻ればいい!」

    今なら、働き方も多様だし、暮らし方も選べる。

    お金ももちろん大事。けど、お金だけに縛られるのは、本当にもったいない。

    退屈な毎日から抜け出したいなら、軽い気持ちで移住してみよう!
    タイムマシーンがあったら、昔の自分に伝えたい言葉です。


    時代は、僕らにチャンスをくれている

    僕が移住した当時は、まだ「空き家バンク」なんて聞いたこともなかったし、
    移住に関する情報もほとんどなかった。

    でも今は?

    • グーグルマップで街の雰囲気が分かる
    • SNSで現地のリアルが聞ける
    • お試し移住、体験ツアーもある

    「いきなり住む」は怖くても、今は段階を踏んでチャレンジできる時代です。


    年齢なんて関係ない

    「若い人の話でしょ?」って言う人もいるかもしれません。

    でも、本気で移住を考える人にとって、年齢なんて関係ない。

    実際、家族で思い切って移住してきた人もいました。

    子どもは最初こそ不安そうだったけど、自然の中で目を輝かせて遊んでいた。

    田舎にも都会にも、それぞれの魅力がある。

    「どっちが正解」じゃなくて、「どっちが今の自分に合ってるか」。


    おわりに──あなたはどう思いますか?

    最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

    変わり者でいい。

    誰かの正解より、自分の「これが好き」を信じてみる。

    暮らしのスタイルも、生き方も、もっと自由に選んでいい時代。

    あなたが今「ちょっとだけ気になってること」――それ、やってみてもいいかもしれません。

    あなたはどう思いますか?

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  • #003 地域おこし協力隊に入って

    ――ヤギが行方不明になった話と、命の重さに震えた日の記録です。

    僕が地域おこし協力隊に入ったとき、農業研修チームには男4人、女の子が1人。1年後にはもう1人女の子が加わってきました。

    伝統工芸班には草木染めを担当する女性が3人ほどいたかな。

    先輩の協力隊もいて、「緑の協力隊」という1年交代の制度で来ている人もいました。

    本当に、いろんな人が集まっていました。


    みんなで鶏をさばいた日のこと

    ある日、協力隊のメンバーと「鶏をさばいて食べてみよう!」ということになりました。

    「命をいただくって、どういうことなんだろう?」

    実際にやってみようという話になり、大人の鶏を一羽、みんなで手分けして捌くことに。

    首をはねてくれたのは女の子、捌いたのは男たち。そして、その場でバーベキューをして食べました。

    焼きあがった鶏肉を噛みしめながら、僕の心はモヤモヤしていました。

    「こんな複雑な思いをするくらいなら、鶏肉は我慢できるかもしれない」

    スーパーでは、きれいにパックされた鶏肉を何の抵抗もなく買うのに。

    焼き鳥屋で出てくる串焼きも、ありがたく食べてるのに。

    でも実際に――さっきまで生きてた鶏を、自分の手で命を絶たなければならない。

    しかも、その鶏にはミミズをあげてしまっていて、ほんの少し情が湧いていた。

    だから、余計につらかった。

    命の重みを、五感で感じた体験でした。


    感謝の視点が変わった

    あの体験をしてから、僕はお店に対しても、誰かの手間に対しても、ものすごく感謝するようになりました。

    スーパーに並ぶあの肉だって、誰かがさばいて、運んで、売ってくれてる。

    そんな「当たり前」は、田舎に来て初めて見えるようになったんです。

    毎日の生活に、感謝が溢れていた。


    協力隊同士の「家見せっこ」

    地域おこし協力隊は、みんな全国から集まってきていました。

    ある日、「君の家はどんな家?」という流れで、互いに住んでる家を見せ合うことに。

    田舎なので、基本は一人一軒。家族連れはそのまま家族で住んでいました。

    部屋は余りまくる。使い放題。

    しかも、「内装は自由に変えていいよ~」なんて言われることも多くて、

    • 壁をぶち抜いて広いリビングにする人
    • ふすまを全部はがす人
    • 鶏を飼い始める人
    • ミツバチを育てる人
    • ヤギを飼う人
    • 薪ストーブを導入する人

    ほんと、思い思いにやってました。


    行方不明のヤギ「フー」と「メイ」

    中でも、特に印象に残っているのが、ヤギを飼っていた協力隊の話です。

    そのヤギには名前がついていました。

    「フー」と「メイ」。

    ある日、その2匹が突然姿を消してしまったんです。

    協力隊の仲間は心配して、村の放送までお願いしました。

    「ヤギの“フー”と“メイ”が行方不明になりました。見かけた方は…」

    そう。

    まさかの――行方不明(フーとメイ)

    笑ってはいけないんだけど、なんだか絶妙にツボで(笑)

    結局、2匹は見つからなかったそうです。

    でも、その話はいまでも僕の記憶に強く残っています。


    おわりに

    最後まで読んでくれて、本当にありがとう。

    「人と違っても、自分らしく暮らせる場所は、きっとどこかにある。」

    そんなふうに思えるきっかけが、僕にとっての田舎暮らしでした。

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