タグ: 自然と暮らす

  • #002 田舎暮らしの現実と発見

    この記事はこんな人におすすめ!
    ・田舎暮らしのリアルな体験談を知りたい人
    ・地域おこし協力隊や地方移住に興味がある人
    ・自然の中での生活に憧れている人

    家の中の寒さ対策と暮らしの工夫

    寒さ対策としてガラスに断熱効果のあるシートを貼ってみましたが、正直あまり効果はありませんでした

    理由は単純。家が隙間だらけだから。昔の家なので仕方ないですが、その分夏は本当に快適なんです。

    それから、家が広すぎて電気のスイッチの場所が分からないという問題もありました。

    そこで、人感センサー付きの電球をネットで購入。ホームセンターだと結構高かったので、ネットの方が安くて助かりました。

    田舎の夜は本当に真っ暗。夜、家に入るのはちょっとした勇気が必要ですが、帰ってきた瞬間にパッと電気がつくとホッとするものです。

    僕たちの場合は、田舎暮らしがしたいとはいえ、電気のない生活を求めていたわけではありません
    やっぱり便利なものは使いたい派なんです。

    ディープな田舎暮らしをする移住者たち

    移住者の中には、昔ながらの暮らしを徹底的に再現したい人もいました。

    たとえば、鶏や鹿を自分でさばいたり、中には罠にかかったアナグマを食べる女の子たちも。

    ちなみに地元の人でもアナグマを食べる人はあまりいません

    裏山で採れた破竹(はちく)

    借りていた家の裏は少し竹藪になっていて、そこで破竹(はちく)がよく採れました。

    破竹とは、タケノコの一種で、細長くて柔らかく、アクが少ないのが特徴です。採ってすぐに料理するととても美味しいです。

    季節になると破竹の食べ放題状態で、たくさん食べました。食べすぎたせいか、今ではちょっと飽きてしまいました(笑)。

    移住者の中には野草に詳しい子もいて、それらを食材として活用していて、ご飯代がかなり浮いていたと思います。

    田舎と野生動物との関係

    鹿肉は運が良ければただでもらえることがあります。

    猟友会の人たちは年々減っていて、限界を迎えていると言われています。
    それでも山に入って鹿をある程度駆除しないと、農作物への被害が大きいため必要な活動です。

    撃った鹿はしっぽだけ持ち帰ることで「駆除した証拠」になるそうで、肉は食用にすることもあります。

    協力隊の仲間が猟友会に同行し、罠にかかった鹿にとどめを刺す話をしてくれました。
    目を見てはいけない」「痛がっている様子を見ると辛くなる」など、生々しい話を聞く中で、命の重みを強く感じたそうです。

    できるだけ苦しませない方法もあるらしいのですが、その村では昔から受け継がれたやり方で行っていたそうです。

    僕はというと、さすがにその現場には立ち会えず、すでに捌かれた鹿肉をいただく側でした。
    味は普通のお肉と変わらなかったけれど、毛がついていたので少し生々しく感じました。

    妻は「気持ち悪い」と言っていましたが、「あんた田舎の娘でしょうが!」とツッコミを入れたくなりました(笑)。

    畑とバーベキューの思い出

    借りていた家の隣には小さな畑があり、「自由に使っていいよ」と言ってもらえたので、すぐにいろいろ植えてみました

    仲間の協力隊と一緒に畑を耕し、「収穫した野菜でバーベキューしよう!」と盛り上がったのがいい思い出です。

    都会に住んでいた人間にとって、無農薬・無肥料の野菜は憧れです。
    田舎ではそれが本当に簡単に手に入るというのが、何よりの魅力でした。


    最後まで読んでくれて、本当にありがとうございます。

    「便利と自然、どちらかじゃなくて、どちらも取り入れる暮らし方だってある。」
    完璧じゃなくても、自分たちらしい暮らしを、少しずつ見つけていけばいいんだと思います。

  • #003 地域おこし協力隊に入って

    この記事はこんな人におすすめ!
    ・地域おこし協力隊や地方移住に興味がある人
    ・田舎暮らしのリアルな体験談を知りたい人
    ・命の重みや感謝の気持ちを再認識したい人

    ――ヤギが行方不明になった話と、命の重さに震えた日の記録です。

    僕が地域おこし協力隊に入ったとき、農業研修チームには男4人、女の子が1人。1年後にはもう1人女の子が加わってきました。

    伝統工芸班には草木染めを担当する女性が3人ほどいたかな。

    先輩の協力隊もいて、「緑の協力隊」という1年交代の制度で来ている人もいました。

    本当に、いろんな人が集まっていました。


    みんなで鶏をさばいた日のこと

    ある日、協力隊のメンバーと「鶏をさばいて食べてみよう!」ということになりました。

    「命をいただくって、どういうことなんだろう?」

    実際にやってみようという話になり、大人の鶏を一羽、みんなで手分けして捌くことに。

    首をはねてくれたのは女の子、捌いたのは男たち。そして、その場でバーベキューをして食べました。

    焼きあがった鶏肉を噛みしめながら、僕の心はモヤモヤしていました。

    「こんな複雑な思いをするくらいなら、鶏肉は我慢できるかもしれない」

    スーパーでは、きれいにパックされた鶏肉を何の抵抗もなく買うのに。

    焼き鳥屋で出てくる串焼きも、ありがたく食べてるのに。

    でも実際に――さっきまで生きてた鶏を、自分の手で命を絶たなければならない。

    しかも、その鶏にはミミズをあげてしまっていて、ほんの少し情が湧いていた。

    だから、余計につらかった。

    命の重みを、五感で感じた体験でした。


    感謝の視点が変わった

    あの体験をしてから、僕はお店に対しても、誰かの手間に対しても、ものすごく感謝するようになりました。

    スーパーに並ぶあの肉だって、誰かがさばいて、運んで、売ってくれてる。

    そんな「当たり前」は、田舎に来て初めて見えるようになったんです。

    毎日の生活に、感謝が溢れていた。


    協力隊同士の「家見せっこ」

    地域おこし協力隊は、みんな全国から集まってきていました。

    ある日、「君の家はどんな家?」という流れで、互いに住んでる家を見せ合うことに。

    田舎なので、基本は一人一軒。家族連れはそのまま家族で住んでいました。

    部屋は余りまくる。使い放題。

    しかも、「内装は自由に変えていいよ~」なんて言われることも多くて、

    • 壁をぶち抜いて広いリビングにする人
    • ふすまを全部はがす人
    • 鶏を飼い始める人
    • ミツバチを育てる人
    • ヤギを飼う人
    • 薪ストーブを導入する人

    ほんと、思い思いにやってました。


    行方不明のヤギ「フー」と「メイ」

    中でも、特に印象に残っているのが、ヤギを飼っていた協力隊の話です。

    そのヤギには名前がついていました。

    「フー」と「メイ」。

    ある日、その2匹が突然姿を消してしまったんです。

    協力隊の仲間は心配して、村の放送までお願いしました。

    「ヤギの“フー”と“メイ”が行方不明になりました。見かけた方は…」

    そう。

    まさかの――行方不明(フーとメイ)

    笑ってはいけないんだけど、なんだか絶妙にツボで(笑)

    結局、2匹は見つからなかったそうです。

    でも、その話はいまでも僕の記憶に強く残っています。


    おわりに

    最後まで読んでくれて、本当にありがとう。

    「人と違っても、自分らしく暮らせる場所は、きっとどこかにある。」

    そんなふうに思えるきっかけが、僕にとっての田舎暮らしでした。