『となりのトトロ』ネコバスの行き先は?表示とメイを探す場面を解説

『となりのトトロ』のネコバスは、おでこの行き先表示が変わる乗り物です。特に、サツキが迷子のメイを探す場面で、表示が「めい」になるところは気になりますよね。

ネコバスは、メイを探すときには「めい」、姉妹をお母さんのもとへ運ぶときには「七国山病院」と表示します。最後に二人を家へ送り届けたあとは、「す」という表示になります。

つまり、行き先には地名や施設名だけでなく、会いたい相手の名前も入ります。普通のバスなら住所や停留所が必要ですが、ネコバスはメイのいる場所へサツキを連れていくのです。

この記事では、ネコバスの主な行き先表示と、メイを探す場面から病院へ向かう流れを整理します。表示から分かることと、そこに重ねられる考察は分けて紹介します。

※ここから『となりのトトロ』の結末までネタバレします。

ネコバスの行き先表示は、目的に合わせて変わる

ネコバスの前面上部には、バスの行き先表示に似た部分があります。体は猫のようでも、どこへ向かうのかを文字で知らせるところには、私たちが知っているバスらしさがあります。

ただし、表示される内容は、現実の路線バスとは少し違います。物語の中で特に押さえたいのは、次の四つです。

行き先表示登場する場面何を示しているか
塚森雨の日、バス停にネコバスが来る場面そのときの行き先
めいサツキがメイを探す場面メイのいる場所へ向かうこと
七国山病院姉妹が再会したあとの場面お母さんが入院している病院
す姉妹を家へ送り届けたあとネコバス自身の巣へ帰ること

「めい」「七国山病院」「す」という表示は、絵コンテを参考にしたアニメイトタイムズ『となりのトトロ』の豆知識紹介でも整理されています。

また、「す」が自分の巣を指すことは、金曜ロードショー公式アカウントの解説を紹介したSirabee「ネコバス、最後の行き先は…」でも確認できます。

ネコバスの行き先表示を見ると、今から何をしようとしているのかが、会話をしなくても伝わります。

特に終盤は、メイを探す、病院へ行く、家へ帰るという移動が続きます。表示は、その場面ごとの目的を短い文字で知らせる役割を持っています。

メイを探すとき、なぜ行き先が「めい」になるの?

メイが行方不明になり、周囲の人たちが探しても見つからない。サツキは自分でも走り回りますが、どこへ行けば妹に会えるのか分かりません。

そこで、サツキはトトロに助けを求めます。トトロが呼んだネコバスは、行き先を「めい」に変え、サツキを乗せて走り出します。

この「めい」は、停留所や町の名前ではありません。探している妹の名前そのものです。

サツキが知りたいのは住所ではなく、メイがどこにいるか。ネコバスの「めい」という表示は、その願いに対応しています。

ただし、ネコバスがどうやってメイの居場所を知ったのか、その能力の仕組みは映画で説明されません。「人の心を何でも読める」「名前さえ分かれば誰でも探せる」といった設定まで広げることはできません。

作中で分かるのは、ネコバスがメイを行き先として示し、実際にサツキをその場所へ運ぶことです。

場面の概要は、映画スクエア「ネコバス」人物紹介でも確認できます。

普通の乗り物なら、乗る側が目的地を知っていなければ行き先を伝えられません。けれど、サツキが今困っているのは、その目的地が分からないことです。ネコバスは、まさにその行き詰まりを越えてくれます。

行き先が「めい」に変わることで、サツキの不安に道筋ができる

ネコバスが来る前のサツキは、メイを探したくても、次にどこへ向かえばよいか分からない状態です。妹を心配する気持ちは強くても、その気持ちだけでは居場所を見つけられません。

ところが、表示が「めい」に変わると、サツキには進む方向ができます。まだメイに会えてはいませんが、少なくとも、妹のもとへ向かう移動が始まるのです。

ここで表示されるのが知らない地名だけなら、サツキも観客も、その場所とメイがどう結びつくのか、すぐには分からないかもしれません。「めい」と出ることで、ネコバスの目的がはっきりします。

「めい」という二文字は、探す場所が分からない不安を、妹に会いに行く時間へ変えるきっかけになっているように見えます。

これは、表示の演出から読み取れる考察です。監督がその意図を明言した制作情報とは分けて考える必要があります。

サツキが求めていたのは、立派な説明や励ましより、メイのいるところへ行く手段だったのでしょう。ネコバスは言葉で安心させる代わりに、行き先を示して走り出します。その具体的な助けが、この場面の大きな転換になります。

ネコバスが連れていくのは、迷子になったメイのいる場所

ネコバスは木々の上や電線の上を走り、サツキをメイのもとへ運びます。道を歩いて探していたサツキとは違う速さと経路で、目的地に近づいていきます。

そしてサツキは、お地蔵さんのそばで座っているメイを見つけます。「めい」という表示が、実際の再会につながる場面です。

ここで確認したいのは、ネコバスの行き先が、人の名前でも成立していることです。表示は「お地蔵さんのある場所」ではなく、最後まで探している相手を示します。

この描写からは、ネコバスが乗る人の会いたい相手に合わせて動く、不思議な乗り物として受け取れます。ただし、その性質を作中にない場面へ当てはめ、誰でも必ず迎えに来てくれると断定することはできません。

メイが見つかったことで、サツキの最も切迫した不安は解消されます。しかし、姉妹には、まだお母さんのことが気にかかっています。ネコバスの行き先は、そこで次の目的へ変わっていきます。メイと再会したあと、行き先は「七国山病院」へ変わる

ネコバスのおかげでサツキはメイを見つけ、姉妹は再会します。ただ、メイが一人で出かけたきっかけは、お母さんにとうもろこしを届けたいという思いでした。

そこでネコバスは、行き先表示を「めい」から「七国山病院」に変えます。七国山病院は、姉妹のお母さんが入院している病院です。

「めい」が妹を見つけるための行き先だったのに対し、「七国山病院」は、再会した二人がお母さんの様子を確かめるための行き先です。

この変化によって、ネコバスの役目も変わります。離れてしまった姉妹を会わせたあと、今度は二人を一緒に病院へ運ぶのです。

絵コンテを参考にしたアニメイトタイムズの解説でも、メイがとうもろこしを届けたかったことと、ネコバスが病院の表示に切り替える流れが紹介されています。

ただし、ネコバスがどの言葉から、どこまで姉妹の事情を理解したのかは、詳しく説明されません。作中で分かるのは、病院を行き先として示し、実際に二人を運ぶという行動です。

病院で姉妹が確かめるのは、お母さんの様子

七国山病院に着いたサツキとメイは、木の上から病室の様子を見ます。そこでは、お父さんとお母さんが話しています。

姉妹は病室へ駆け込むのではなく、外からお母さんの姿を確かめます。そして、窓辺にはメイが届けたかったとうもろこしが置かれます。

この場面で大切なのは、ネコバスが病気を治したわけではないことです。病院へ行けたからといって、すべての心配がなくなるわけでもありません。

それでも、姉妹には、離れた場所から想像するしかなかったお母さんの様子を、自分たちの目で確かめる機会ができます。

ネコバスが届けるのは、問題を全部解決する魔法ではなく、会いたかった人の様子を確かめられる場所です。

メイを探していたときの不安と、お母さんを心配する気持ち。その二つに対して、「めい」と「七国山病院」という行き先が、順番に道を作っているように読めます。

どこへ行きたいかが分かっていても、子どもだけでは簡単にたどり着けない。ネコバスは、その距離を越える手段になっています。

最後の行き先「す」は、ネコバス自身の巣

サツキとメイを家へ送り届けたあとのネコバスには、「す」という行き先表示が出ます。

この文字は「巣」を指します。金曜ロードショー公式アカウントも、姉妹の冒険を見届けたネコバスが、自分の巣へ戻ると解説しています。

出典:Sirabee「『となりのトトロ』ネコバス、最後の行き先は…」

最後の「す」は、姉妹を運ぶための目的地ではなく、ネコバス自身が帰る場所を示しています。

現実のバスなら「回送」と出るところで、自分の帰る場所がひらがな一文字で表示される。バスらしい仕組みと、生き物らしい暮らしが同居しているところです。

ただし、その巣がどこにあるのか、どんな形なのかは映画で紹介されません。ほかのネコバスと一緒に暮らしているのか、家族がいるのかも、この表示だけでは分かりません。

「す」と出ることで確かめられるのは、ネコバスにも帰る場所があるということです。姉妹を助けたあと、この不思議な生き物の暮らしも続いていくように感じられます。

「墓道」などの表示は、実際に走った経路なの?

ネコバスが行き先を切り替える途中には、「長沢」「三ツ塚」「墓道」「大社」「牛沼」といった文字も現れます。

ここで区別したいのは、表示板に文字が出たことと、その場所を実際に通ったことです。行き先表示が切り替わる様子だけで、すべてを順番に巡ったとは判断できません。

切り替え途中の表示を、メイを探した道順や、停留所の順番として確定することはできません。

現実のバスの表示板でも、目的の表示へ切り替える際に、別の行き先が途中で見えることがあります。ネコバスの場面も、少なくとも最終的に「めい」が選ばれる描写として整理できます。

また、「墓道」という文字だけを根拠に、「ネコバスは死後の世界へ運んでいる」「メイはすでに亡くなっている」と結論づけることもできません。

映画では、サツキが迷子になったメイと再会し、二人で病院へ向かい、帰宅する流れが描かれます。短く映る文字の連想だけで、その出来事を別の物語に置き換えないことが大切です。

表示の地名と実在する場所の関係を調べる場合も、名前が似ているだけでモデルと断定することはできません。映画の表示、現実の地名、制作側が説明したモデルは、それぞれ分けて確認する必要があります。

ネコバスの表示が伝えるのは、姉妹の目的の変化

終盤の行き先を追うと、物語の目的が移り変わる様子が見えてきます。

まずは「めい」。サツキにとって、何より先に妹を見つけることが必要です。再会したあとは「七国山病院」。二人で、お母さんの様子を確かめに行きます。

そして姉妹を家へ届ける役目が終わると、ネコバスは「す」へ帰ります。探していた相手に会い、心配していた人の姿を見て、それぞれが帰る場所へ向かう流れです。

この読み方は、行き先表示と場面をつなげた考察であり、監督の意図を断定するものではありません。それでも、表示に注目することで、ネコバスがどの場面で何を助けているかが分かりやすくなります。

特に「めい」は、住所ではなく、会いたい相手が目的地になる表示です。サツキの切迫した願いが、そのまま文字になったようにも見えます。

「どこへ行くか」という問いに、場所の名前だけでなく、人の名前で答える。そこに、この場面ならではの不思議さと温かさがあるのではないでしょうか。

まとめ|「めい」「七国山病院」「す」が終盤の移動を知らせる

『となりのトトロ』のネコバスは、目的に合わせて行き先表示を変えます。メイを探すときには「めい」、姉妹をお母さんのもとへ運ぶときには「七国山病院」、家へ送り届けたあとは「す」と表示されます。

「めい」はメイのいる場所を、「す」はネコバス自身の巣を指します。一方、切り替え途中に出る地名だけで、実際の経路や隠された設定まで確定することはできません。

行き先表示は、サツキが妹を探す時間から、姉妹でお母さんを見守り、家へ帰る時間へと進む流れを、短い文字で伝えています。

ネコバスは姉妹の心配をすべて消すわけではありません。それでも、会いたい人のところへ運んでくれる。その助けが、途方に暮れていたサツキに、次へ進む道を作ったと受け取れるでしょう。

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