『崖の上のポニョ』主題歌は誰が歌う?歌手と作詞・作曲を紹介

『崖の上のポニョ』の歌を歌っているのは誰なのか。女の子の声は思い浮かんでも、一緒に歌っている男性や、曲を作った人までは分からないという方もいるのではないでしょうか。

主題歌「崖の上のポニョ」を歌っているのは、藤岡藤巻と大橋のぞみです。作詞は近藤勝也、補作詞は宮崎駿、作曲・編曲は久石譲が担当しています。

大橋のぞみのソロ曲というわけではなく、男性デュオの藤岡藤巻と組んだ楽曲です。また、宮崎駿監督も歌詞に関わっていますが、正式なクレジットでは「作詞」と「補作詞」が分かれています。

この記事では、まず歌手と制作陣を整理し、そのうえで、子どもと大人が一緒に歌う形になった経緯を紹介します。明るく親しみやすい歌の背景には、親子の距離を感じさせる具体的なイメージがありました。

『崖の上のポニョ』の主題歌を歌うのは藤岡藤巻と大橋のぞみ

主題歌の曲名は、映画と同じ「崖の上のポニョ」です。歌手名の「藤岡藤巻と大橋のぞみ」は、男性2人のデュオと、大橋のぞみを合わせた名義になっています。

歌手と作詞・作曲の担当を、先に表で確認しておきましょう。

項目担当
曲名崖の上のポニョ
歌藤岡藤巻と大橋のぞみ
作詞近藤勝也
補作詞宮崎駿
作曲・編曲久石譲

これらのクレジットは、ディズニー公式の『崖の上のポニョ』作品ページで確認できます。

藤岡藤巻は2人の名前を合わせたデュオ

「藤岡藤巻」という表記は、初めて見ると1人の芸名にも見えますが、藤岡孝章と藤巻直哉によるデュオです。

徳間ジャパンのサウンドトラック紹介によると、2人は1970年代に「まりちゃんズ」として活動し、2005年11月に藤岡藤巻を結成しました。子ども向けの歌だけを歌うために生まれたグループではなく、中高年男性の気持ちを題材にした楽曲を歌ってきたユニットです。

その2人が、子どもの声と一緒にポニョの主題歌を歌っている。経歴を知ると、組み合わせの面白さが見えてきます。

大人が子どもの世界へ入って、一緒に声を出す。そういう歌として捉えると、男性の声が加わる意味も分かりやすくなるのではないでしょうか。

出典:徳間ジャパン「崖の上のポニョ」サウンドトラック紹介

大橋のぞみのソロ版も収録されている

一方で、「女の子が1人で歌っていた気がする」という記憶にも、手掛かりがあります。

ヤマハミュージックコミュニケーションズの公式商品紹介では、シングルに「崖の上のポニョ(のぞみちゃんデモ)」が収録されていることが確認できます。こちらは大橋のぞみが1人で歌ったもので、CMや劇場予告編にも使用されたと説明されています。

つまり、藤岡藤巻と大橋のぞみが歌う主題歌と、大橋のぞみが1人で歌うデモ版は、区別して考えると整理できます。

同じ曲名でも歌う形が異なるため、耳にした場面によって印象が違っていても不思議ではありません。

出典:ヤマハミュージックコミュニケーションズ「崖の上のポニョ」商品情報

作詞は近藤勝也、補作詞は宮崎駿、作曲・編曲は久石譲

歌手に続いて押さえておきたいのが、曲を作った人たちです。

この主題歌は、作詞・補作詞・作曲という役割を分けて、映画の制作に関わる人たちが形にしています。歌手名だけを見ると分かりませんが、映像と音楽の両方に接点のある制作陣が参加しています。

作詞の近藤勝也は映画の作画監督

作詞を担当した近藤勝也は、『崖の上のポニョ』の作画監督でもあります。ディズニー公式の作品ページでは、作画監督と主題歌の作詞、両方の欄に名前が掲載されています。

作画監督として作品に関わる人が、主題歌では言葉を担当しているわけです。

ただし、このクレジットだけで「映像のこの場面を表すために、この言葉を書いた」とまでは断定できません。そこは、確認できる担当と、歌から受け取る印象を分けておきたいところです。

宮崎駿の担当は「補作詞」

宮崎駿監督については、正式には「補作詞」と表記されています。「宮崎駿が作詞した歌」とだけ説明すると、近藤勝也の担当が抜け落ちてしまいます。

スタジオジブリの主題歌発表では、宮崎監督のメモを出発点に久石譲が作曲し、近藤勝也が作詞、宮崎監督が補作詞として仕上げたという経緯が説明されています。

なお、公式発表には、どの一節を誰が担当したかという細かな内訳までは示されていません。歌詞の一部分を取り出して、担当者を決めつけることは避けたいですね。

久石譲は主題歌の作曲・編曲と映画音楽を担当

久石譲は、この主題歌の作曲・編曲に加え、映画本編の音楽も担当しています。

主題歌と劇中音楽では、歌声の有無や使われ方が異なります。それでも、映画全体の音楽を担当する人が主題歌も作っていると分かると、歌だけを独立して聴く場合とは違う楽しみ方ができます。

明るい歌だから、制作の仕組みまで単純というわけではありません。言葉を考える人、曲にする人、歌う人。それぞれの役割を知ったうえで聴くと、親しみやすさを支える仕事にも目が向きます。

制作経緯の確認元:スタジオジブリ「『崖の上のポニョ』の主題歌リリース決定!」

なぜ子どもと大人が一緒に歌っているのか

「崖の上のポニョ」で子どもと大人が一緒に歌っているのは、単に声の違いを楽しませるためだけではありません。

スタジオジブリの公式発表では、幼い娘のそばで、お父さんが一緒に歌うというイメージが紹介されています。娘と父が交互に歌い、やがて掛け合いになっていく。そうした親子のやり取りが、曲の出発点にあります。

ただし、これは歌の中で想定された関係です。歌手同士が実際の親子という意味でも、映画の登場人物をそのまま演じて歌っているという意味でもありません。

大人の声が加わると「一緒に楽しむ歌」になる

子どもだけの歌声には、子どもならではの魅力があります。そこに大人の声が加わると、歌う人同士の関係も感じられるようになります。

この曲の場合は、子どもが歌う様子を大人が遠くから見守るのではなく、そばで一緒に歌うという設定です。

ここからは曲の受け取り方ですが、大人も同じ楽しさの中に入っていけるところが、この組み合わせの温かさにつながっているように思います。

子どもの好きなものを、大人も同じ目線で楽しむ。そういう時間は、立派なことを教える時間とはまた違う意味を持つのかもしれません。

親子の歌と聞くと少し構えてしまいそうですが、出発点は日常の近い距離にあります。その気軽さがあるから、聴く側も肩の力を抜いて楽しめるのではないでしょうか。

出典:スタジオジブリ「『崖の上のポニョ』の主題歌リリース決定!」

主題歌のCDは映画公開より先に発売されていた

「崖の上のポニョ」のシングル発売日は、2007年12月5日です。一方、映画の日本公開日は2008年7月19日でした。

つまり、この歌は映画の公開に合わせて初めて発売されたのではなく、約7か月前からCDになっていたことになります。

作品を先に知ってから歌を聴く人もいれば、歌を耳にしてから映画に興味を持つ人もいる。その両方の入口があったわけですね。

曲名と映画のタイトルが同じなので、歌を覚えることが、そのまま作品名を覚えることにもつながります。ただし、これを狙った宣伝上の意図だったとまでは、発売日だけを根拠に断定できません。

シングルには「フジモトのテーマ」も収録

ヤマハミュージックコミュニケーションズの公式商品ページには、シングルの収録曲として次の5曲が掲載されています。

  • 崖の上のポニョ
  • フジモトのテーマ
  • 崖の上のポニョ(カラオケ)
  • フジモトのテーマ(カラオケ)
  • 崖の上のポニョ(のぞみちゃんデモ)

主題歌だけでなく、別の楽曲やカラオケ、歌い手の構成が異なるデモ版も収められています。

特に主題歌とデモ版は、同じ曲を違う声の組み合わせで聴く手掛かりになります。メロディーだけでなく、誰と誰が歌うかによって、曲の雰囲気がどう変わるのかに注目する聴き方もできそうです。

発売日・収録曲:ヤマハミュージックコミュニケーションズ「崖の上のポニョ」
映画の日本公開日:スタジオジブリ『崖の上のポニョ』作品情報

「海のおかあさん」も公式に主題歌として掲載されている

『崖の上のポニョ』の歌を調べるとき、もう1曲知っておきたいのが「海のおかあさん」です。

ディズニー公式の作品ページでは、「崖の上のポニョ」と並んで、こちらも主題歌として掲載されています。歌っているのは林正子です。

そのため、公式の作品情報で主題歌の歌手に林正子の名前があっても、藤岡藤巻と大橋のぞみの表記と矛盾しているわけではありません。曲が異なります。

曲名歌手
崖の上のポニョ藤岡藤巻と大橋のぞみ
海のおかあさん林正子

「海のおかあさん」は、作詞に覚和歌子と宮崎駿、作曲・編曲に久石譲がクレジットされています。また、覚和歌子の作品「さかな」から翻案したことも明記されています。

こちらの作詞情報を、曲名が映画と同じ「崖の上のポニョ」のクレジットと混ぜないようにすると、整理しやすくなります。

出典:ディズニー公式『崖の上のポニョ』主題歌情報

まとめ|歌手と制作陣を知ると、主題歌の楽しみ方も広がる

主題歌「崖の上のポニョ」を歌っているのは、藤岡藤巻と大橋のぞみ。作詞は近藤勝也、補作詞は宮崎駿、作曲・編曲は久石譲です。

そして、子どもと大人が一緒に歌う形の背景には、娘のそばで父親も歌うという具体的なイメージがありました。

歌手の名前が分かったあとに、もう一歩だけ耳を向けるなら、子どもの声と大人の声がどう関わっているかを聴いてみるのもよさそうです。

誰が歌っているかを知ると、「かわいい歌」という印象に加えて、一緒に歌う人がいる温かさも感じられるかもしれません。

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