『俺たちの箱根駅伝』明誠学院大学は実在する?モデルを調査

『俺たちの箱根駅伝』に登場する明誠学院大学。箱根駅伝への復帰を目指す姿を見ると、「実在する大学なの?」「どこかの陸上競技部がモデルになっている?」と気になるところです。

明誠学院大学は、作品に登場する架空の大学です。また、今回確認した公式情報と原作者インタビューでは、特定の実在大学がモデルだとする説明は確認できませんでした。

原作者の池井戸潤さんは、出版社のインタビューで、物語の舞台となるチームやライバルを架空の大学にしたことを説明しています。名前が似ている大学や、同じような競技成績を持つ大学を、そのままモデルと決めつけることはできません。

この記事では、明誠学院大学の実在・モデルについて分かったことを整理し、現実の箱根駅伝と創作がどう組み合わされているのかを紹介します。原作の結末や、ドラマの今後のレース結果には触れません。

明誠学院大学は実在しない|原作者インタビューで架空のチームと確認できる

明誠学院大学が架空の大学であることは、文藝春秋の「本の話」に掲載された、池井戸潤さんの刊行記念インタビューから確認できます。

同記事では、明誠学院大学の青葉隼斗を学生側の主人公として紹介したうえで、その所属チームを架空のものと説明しています。池井戸さん自身も、舞台となるチームやライバルは架空の大学にしたと回答しています。

確認元:文藝春秋「本の話」池井戸潤・創作の秘密『俺たちの箱根駅伝』刊行記念インタビュー

つまり、明誠学院大学は、実在する大学の名称をそのまま使ったものではありません。作品の中で設定された大学として捉えるのが適切です。

ここで分けたいのが、大学の実在と、競技の実在です。箱根駅伝は現実の大会ですが、実在する大会を舞台にしているからといって、登場する大学や選手のすべてが実在するわけではありません。

現実の大会を背景に、架空のチームの物語を描く。この組み合わせを押さえると、明誠学院大学の位置づけが分かりやすくなります。

明誠学院大学のモデルはどこ?特定の大学とは断定できない

明誠学院大学について、今回調べた番組公式情報や原作者インタビューでは、「この大学をモデルにした」と特定の学校名を挙げる説明は確認できませんでした。

そのため、現時点での答えは、特定の実在大学がモデルだと確認できる根拠は見つかっていない、となります。

これは、池井戸さんが現実の大学駅伝から何の影響も受けていない、という意味ではありません。取材したことと、ある一校を登場大学へ置き換えたことは、別の話です。

例えば、大学名の響きが似ている、かつて強かった時期がある、箱根駅伝出場を目指している、といった共通点だけでは、モデルを特定する根拠になりません。

共通点を見つけると、「ここが元になってるんちゃうかな」と考えたくなるんよな。ただ、その連想を作者が明かした制作情報として扱うと、事実と推測が混ざってしまいます。

また、原作者が取材した大学、ドラマの撮影に使われた大学、物語上のモデルとなる大学も、それぞれ違うものです。どこかのキャンパスで撮影されたとしても、その学校が明誠学院大学のモデルだとは限りません。

確認すること意味
実在する大学かその名称の大学が現実に存在するか
モデルとなった大学か創作の元になったと作者や制作側が説明しているか
取材先か競技や学生生活などについて話を聞いた相手か
ロケ地か映像作品の撮影に使われた場所か

明誠学院大学を調べる際は、この違いを意識すると、情報を混同しにくくなります。

ドラマの明誠学院大学は、箱根復帰を目指す古豪として登場する

では、架空の大学である明誠学院大学は、ドラマの中でどのような学校として設定されているのでしょうか。

日本テレビの第1話公式あらすじでは、明誠学院大学は、2年連続で箱根駅伝本選への出場を逃し、3年ぶりの復帰を目指す古豪として紹介されています。

名将・諸矢久繁監督のもとで、ケガから復帰した4年生のエース・青葉隼斗が走るという設定です。学生や指導者だけでなく、中継に関わる人たちも、その復活に期待を寄せています。

確認元:日本テレビ『俺たちの箱根駅伝』第1話公式ストーリー

「古豪」という言葉からは、過去に築いた評価と、現在の成績との間に隔たりがあるチームとして受け取れます。強かった歴史があるからこそ、復帰への期待も大きくなるのでしょう。

ただし、この設定が、特定の実在大学の歴史と一致することを示しているわけではありません。大学駅伝の中で想像できる状況であることと、一校の実話を再現していることは分けて考える必要があります。

物語の入り口として注目したいのは、名門という評価だけでは、今の選手の出場は保証されない点です。過去の実績があっても、目の前の予選会を走るのは現在の学生たちです。

その意味で明誠学院大学は、学校の歴史への期待と、限られた学生生活の中で結果を求める選手の思いが重なる場所として考えられます。

架空の大学でも、現実のチームのように感じられるのはなぜ?

明誠学院大学が現実にありそうに感じられる理由を考えるうえで、原作者が大学の陸上競技部へ取材していることは重要です。

池井戸さんは、前述の出版社インタビューで、ある大学の監督を訪ね、学生の日常について話を聞いたと説明しています。その取材を通して、練習方法やルール、寮の有無などは大学ごとに異なると知ったそうです。

ここから確認できるのは、大学駅伝の生活や環境を調べたうえで創作しているということです。一方、その取材先を明誠学院大学のモデルと認定する説明にはなっていません。

競技に取り組む学生の暮らしを知ることは、架空のチームにも具体性を与えます。しかし、具体的だから実話だとは限らない。明誠学院大学を理解する際にも、この区別が大切です。

「本当にありそう」と感じることと、「本当にあった」と確認できることは違います。モデルを探すときには、その一線を押さえておきたいところです。青山学院大学が登場しても、明誠学院大学のモデルとは限らない

明誠学院大学のモデルを考える際、気になるのが、作品と実在の青山学院大学との関係です。

ドラマでは、青山学院大学の原晋監督が本人役で出演すると発表されています。架空の大学を中心にした物語へ、実在する大学の監督が登場するわけです。

確認元:文藝春秋「本の話」青山学院大学・原晋監督の本人役出演情報

ただし、原監督の出演は、明誠学院大学が青山学院大学をモデルにしていることを示す情報ではありません。実在する人物の出演と、架空の大学のモデルについての説明は、別々に扱う必要があります。

大学名に「学院」が含まれることも、それだけではモデルを特定する根拠になりません。名前の印象が似ていると連想しやすいものの、作者や制作側の説明を確認せずに結びつけることはできないでしょう。

実在の大学や監督が登場すると、物語と現実の距離が近く感じられます。しかし、そこで描かれる架空のチームの出来事まで、実在校の歴史として受け取らないことが大切です。

明治学院大学と明誠学院大学は別の大学

名前を確認するときには、実在する「明治学院大学」と、作品の「明誠学院大学」を区別しておきましょう。

明治学院大学には、箱根駅伝本選への出場を目指す「MG箱根駅伝プロジェクト」があります。大学の公式サイトでも、その取り組みが紹介されています。

確認元:明治学院大学公式「MG箱根駅伝プロジェクト」

一方、明誠学院大学は『俺たちの箱根駅伝』の中で設定された架空の大学です。明治学院大学が駅伝に取り組んでいることは、明誠学院大学のモデルだとする証拠にはなりません。

名称が似ていて、どちらも箱根駅伝と関わる。その二つが重なると混同しやすいですが、学校の存在を確認する情報と、創作のモデルを確認する情報は分けたいところです。

また、モデルを探すために、実在校の成績や指導者の経歴を無理に作中の設定へ当てはめると、似ている部分だけが目立ってしまいます。違っている部分も含めて考える必要があるでしょう。

なぜ架空の大学を中心にしたのか|作者が語る創作上の理由

明誠学院大学を架空の大学にしたことには、原作者が語る創作上の背景があります。

池井戸潤さんは、出版社の刊行記念インタビューで、実在のチームを舞台に選手の物語を創作する難しさと、架空の大学だけでは読者が感情移入しづらいという悩みを説明しています。

その両方を考えながら、物語の中心を組み立てていったことが分かります。

確認元:文藝春秋「本の話」池井戸潤インタビュー「箱根駅伝中継の舞台裏にあったドラマ」を掘り起こすまで

実在する学校や選手の名前を使えば、読者に伝わりやすくなる面はあるでしょう。しかし、創作した言動やトラブルが、現実の人たちの出来事だと受け取られる可能性もあります。

架空のチームであれば、登場人物の葛藤や選択を物語として描けます。その一方で、実在の箱根駅伝を背景にすることで、選手たちが目指す舞台の大きさも伝えられる。こうした組み合わせが、本作の特徴と考えられます。

「現実の大学の名前を変えただけ」と捉えるより、現実の競技を取材しながら、独自のチームを作り上げた作品として読むほうが、確認できた作者の説明に沿っています。

モデル探しから見えてくる、明誠学院大学の物語の魅力

明誠学院大学が架空だと分かると、「実話ではないのか」と感じる人もいるかもしれません。それでも、登場人物の悩みまで遠いものになるわけではありません。

ドラマの公式あらすじで示されているのは、箱根駅伝への復帰を目指す古豪と、その期待を背負う学生たちです。過去の評価があるチームで、現在の選手が結果を求められる。その関係に注目できます。

学校には長い歴史があっても、一人の学生が競技に取り組める時間には限りがあります。大学の復活という大きな目標と、自分が在学している間に走りたいという個人の目標は、重なりながらも同じではありません。

「学校のために頑張る」と「自分が走りたい」が、どこで重なって、どこでずれるんやろ。架空の大学だからこそ、特定の実在校への評価から離れて、選手一人ひとりの思いを考えられる面もありそうです。

これは作者の意図を断定するものではなく、設定から読み取れる一つの見方です。実在モデルを探すことに加えて、明誠学院大学というチームの中で誰が何を求めているのかを見ると、人物の関係にも目を向けやすくなります。

まとめ|明誠学院大学は架空、特定のモデルは確認できない

『俺たちの箱根駅伝』の明誠学院大学は、架空の大学です。原作者・池井戸潤さんのインタビューでも、物語の舞台となるチームを架空にしたことが確認できます。

また、2026年10月14日時点で今回確認した公式情報と原作者インタビューでは、特定の実在大学をモデルとする説明は見つかりませんでした。青山学院大学の原晋監督が本人役で出演することや、明治学院大学と名称が似ていることだけで、モデルを決めることはできません。

明誠学院大学は、現実の箱根駅伝を背景に描かれる架空のチームです。実在校との共通点と、公式に確認できるモデル情報は分けて考えましょう。

どこの大学に似ているかを考えるのも一つの楽しみですが、古豪の期待を背負いながら、自分たちの箱根を目指す学生の姿にも注目したいところです。

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