映画『ママがもうこの世界にいなくても』は実話?原作とモデルを紹介

『ママがもうこの世界にいなくても』というタイトルを見て、「実際にあった話なの?」「主人公のモデルは誰?」と気になった人もいるのではないでしょうか。

映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』は、遠藤和さんの実話をもとにした作品です。原作は、和さんが残した日記をもとに書籍化された、同名の本です。

主人公の名前は「遠藤和」と書いて、「えんどう・のどか」と読みます。映画では川口春奈さんが和さんを、高杉真宙さんが夫の将一さんを演じています。

ただし、実話が原作であることと、映画のすべての場面やセリフが実際の出来事をそのまま再現していることは、分けて考える必要があります。

この記事では、公式に確認できる和さんのこと、原作本の成り立ち、映画との関係を紹介します。映画の終盤の具体的な描写には触れませんが、実在の和さんの病気と生涯に関する情報を含みます。

『ママがもうこの世界にいなくても』は実話を映画化した作品

映画公式サイトは、本作を、限りある命の中で紡がれた実話の映画化として紹介しています。

物語のもとになったのは、青森で暮らしていた遠藤和さんと、夫の将一さんの歩みです。架空の人物を主人公にした闘病小説ではなく、実在した人が残した記録につながる作品です。

確認元:映画公式サイト|イントロダクション・原作紹介

「実話なのか」という疑問には、まず、実在の遠藤和さんの日記を原作としていると答えられます。

一方で、原作が日記であっても、映画には脚本や演出があります。どの出来事を取り上げ、どの順番で伝え、人物の気持ちをどう映像にするかという制作上の選択が加わります。

そのため、映画の人物が話す言葉を、確認なしに「実際の和さんが言った言葉」として引用することはできません。実話とのつながりを大切にするためにも、本人の記録と映像作品の表現は区別したいところです。

主人公のモデル・遠藤和はどんな人?

映画公式の紹介によると、2018年、当時21歳だった遠藤和さんは、ステージⅣの大腸がんと告げられました。

和さんと将一さんの歩みは、テレビ番組『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』でも取り上げられています。映画のタイトルで初めて知った人もいれば、番組を通じて二人を知っていた人もいるかもしれません。

映画の制作に関わるAOI Pro.の作品紹介では、和さんが24歳で亡くなるまでの日々を生きたことが説明されています。

確認元:AOI Pro.公式|映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』作品紹介

ただ、和さんを知るときに、病名と年齢だけでその人を説明しきったことにはしたくありません。

映画の公式あらすじには、和さんと将一さんが、笑い合ったり、ときにぶつかったりする日常も紹介されています。病気を告げられる前から、それぞれの思いや関係があり、その続きに闘病の日々があります。

病気の話としてだけ読むと、どうしても治療や残された時間に目が向きます。でも、誰と暮らし、何を願っていた人なのかを知ることも、この作品を理解するうえで大切だと思います。

「どんな病気だったか」と同じくらい、「どんなふうに生きたかったんやろ」が気になる。その問いを持つと、実話の人物を遠い存在として見るだけではなくなりそうです。

原作は遠藤和の『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』

映画の原作としてクレジットされているのは、遠藤和さんの『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』です。出版社は小学館です。

項目確認できる内容
原作の著者遠藤和
名前の読み方えんどう・のどか
映画での原作表記『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』
出版社小学館
記録のもと和さんが残した日記

書籍の確認先:小学館|『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』

小学館では、以前の単行本『ママがもうこの世界にいなくても』も紹介されています。版によって副題を含む表記が異なるため、本を探す際は、著者名の「遠藤和」も合わせて確認すると分かりやすいですね。

単行本の確認先:小学館|『ママがもうこの世界にいなくても』単行本

亡くなる10日前まで書き続けた日記

映画公式サイトでは、和さんが亡くなる10日前まで日記を書き続けたことが紹介されています。

この背景を知ると、原作は、その人生を後から誰かが説明するだけの記録ではなく、本人が生きている時間の中で残した言葉につながっていると分かります。

もちろん、日記があるからといって、心の中のすべてが記録されているわけではありません。書かれていない感情を想像し、それを本人の本音として断定することもできません。

だからこそ、本人が残した言葉は、そのまま大切に受け止めたいところです。分かったつもりになるのではなく、何を伝えようとしていたのかを、記録に沿って考える。その読み方が、この原作には合っているように思います。

タイトルには、自分がいなくなったあとの世界を見つめる言葉が置かれています。その言葉を残すことが、誰かの未来につながるかもしれない。日記という形を知ると、題名の受け取り方にも重みが加わりますね。

映画では遠藤和を川口春奈、夫・将一を高杉真宙が演じる

映画で遠藤和さんを演じるのは川口春奈さん、夫の遠藤将一さんを演じるのは高杉真宙さんです。監督は山戸結希さんが務めています。

公式の人物紹介では、和は若くして大腸がんを患う主人公、将一は和を支える夫として紹介されています。

確認元:映画公式サイト|キャスト・人物紹介・スタッフ

原作にある言葉を読むことと、俳優の声や表情を通じて人物に触れることでは、受け取り方が変わるでしょう。文章では一人で読み進められる時間が、映画では、相手の返事を待つ間や、同じ場所にいる二人の姿として表現されることもあります。

ただし、具体的な場面については、本編を確認してから考える必要があります。ここでは、実在の夫婦の歩みを、俳優と制作陣が映像作品として届けているという関係を押さえておきたいところです。

実話なら、映画の出来事はすべて本当にあった?

実話が原作であることだけを根拠に、映画の全場面が事実どおりだと判断することはできません。

本作には原作のほかに脚本のクレジットがあります。しかし、それだけで、どの場面が脚色され、どの会話が記録に基づくのかまでは分かりません。

原作と映画の具体的な違いを説明するには、両方の内容を照らし合わせる必要があります。予告や公式あらすじだけから、「この場面は映画オリジナル」「実際にも同じ会話があった」と断定することは避けたいですね。

実話について調べる際は、次のように分けると整理しやすくなります。

  • 本人の日記や、信頼できる記録で確認できること。
  • 映画公式が、実在の人物の情報として紹介していること。
  • 映画の中で描かれる人物の行動や会話。
  • それを見て、私たちが感じたり考えたりしたこと。

たとえば、登場人物の表情から「不安だったのかもしれない」と受け取ることはできます。でも、その解釈を、実在した本人の気持ちとして確定させることはできません。

実話の作品ほど、人物に近づいたように感じる瞬間があります。それでも、画面から受け取ったことと、本人が残したことの間には違いがある。その距離を意識すると、作品にも実在の人にも、丁寧に向き合えると思います。

『笑ってコラえて!』との関係は?

和さんと将一さんの歩みは、日本テレビの『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』でも紹介されました。小学館の書籍紹介では、「結婚式の旅」のコーナーで取り上げられたことが説明されています。

確認元:小学館|原作本の紹介とテレビ番組との関係

そのため、「テレビで見た夫婦の話と同じ?」という疑問には、同じ遠藤和さんと将一さんの歩みにつながる作品、と答えられます。

ただし、映画の原作として公式に記載されているのは、和さんの著書です。テレビ番組をそのまま映画化した、と説明するのは正確ではありません。

番組、書籍、映画は、同じ人物に関わっていても、伝え方が異なります。番組で二人を知った人にとっても、日記や映画を通じて別の面に触れる入り口になるかもしれません。

原作が日記であることから考えたい、言葉を残す意味

この作品で気になるのは、和さんが生きる時間の中で、日記を書き続けていたことです。

日記には、あとから整えた人生の説明とは違い、そのときの自分が言葉にしたものが残ります。何を考え、何を大切にしていたのかを知る手がかりになるでしょう。

ただ、言葉を残すことの意味は、一つには決められません。誰かに伝えるためなのか、自分の気持ちを整理するためなのか。その目的も、本人の記述に沿って読む必要があります。

タイトルを見たときには、いなくなることに目が向きます。でも、原作の成り立ちを知ると、残される言葉のほうにも関心が向きます。

会えなくなったあとにも、その人が何を考えていたかを知る手がかりがある。言葉を残すって、そういうつながり方もあるんやなと考えさせられます。

これは、日記という形式から広げた考察です。和さんがどんな思いで一つひとつを書いたかを、こちらの想像で埋めるものではありません。

実話を「感動する話」だけで片づけたくない

病気と向き合った人の物語では、強さや前向きさに注目が集まることがあります。その姿に心を動かされる一方で、本人が経験した迷いや苦しさまで、簡単な言葉でまとめたくはありません。

映画の公式あらすじは、二人が家族としての未来を願う姿を紹介しています。そこには、病気だけで説明できない、暮らしや関係への希望があります。

その願いを知ると、「どれだけ強く生きたか」だけではなく、「誰と、どんな時間を過ごしたかったのか」という問いが浮かびます。

そして、実在の和さんの選択を、すべての人が従うべき答えにする必要もありません。人によって状況も願いも違うからです。

一人の人が選んだ生き方を知り、自分はそこから何を受け取るのかを考える。そうした見方なら、本人の人生を大切にしながら、作品と向き合えるのではないでしょうか。

まとめ|原作は、実在の遠藤和が残した日記につながる本

『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』は、遠藤和さんの実話をもとにした映画です。原作は、和さんが残した日記をもとに書籍化された小学館の著書です。

和さんを川口春奈さん、夫の将一さんを高杉真宙さんが演じ、山戸結希さんが監督を務めています。

一方、映画のすべての場面やセリフが、実際の出来事と一致するとは確認できません。本人の記録、映画の描写、そこからの解釈を分けて受け止めることが大切です。

実話だと知ったあとには、病気や年齢だけでなく、和さんが残した言葉にも目を向けたくなります。その人が何を願い、誰との時間を大切にしたのか。そこに触れることが、この作品を知る入り口になりそうです。

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