『猫の恩返し』の冒頭で登場する、先に網のついた長い棒。「あれ、何のスポーツの道具なんやろ?」と気になった方もいるのではないでしょうか。
あの道具は、ラクロスで使う「クロス」と呼ばれるスティックです。ハルはこの道具を使って、車にひかれそうになった猫を助けます。その猫との出会いが、不思議な冒険の始まりになります。
この記事では、ラクロスがどんな競技なのか、ハルが猫を助ける場面でどう使われるのかを整理します。さらに、冒頭の行動から読み取れるハルの一面も考えていきます。
※ここから『猫の恩返し』序盤の展開と、助けられた猫の正体に触れます。
『猫の恩返し』冒頭に登場するスポーツはラクロス
冒頭で目に入る、虫取り網にもラケットにも似た道具は、ラクロスのスティックです。競技を知らなくても、特徴のある形が印象に残りますよね。
ラクロスは、先端に網のあるクロスでボールを扱い、相手のゴールへ入れて得点を競うチームスポーツです。ボールを受け止めたり、運んだり、仲間へパスしたりと、一本の道具がさまざまな役割を担います。
日本ラクロス協会の説明でも、クロスを使って小さなボールを操り、ゴールを狙う競技として紹介されています。
テニスのラケットとは何が違う?
見た目から「ラケット」と呼びたくなりますが、競技の道具としては「クロス」または「スティック」と覚えると分かりやすいです。
テニスのラケットは、張られた面でボールを打ち返します。一方、ラクロスのクロスは、先端の網でボールを受け止め、保持できる構造になっています。
『猫の恩返し』で押さえておきたいのも、この「網で受け止められる」という特徴です。ハルが猫を救う場面は、道具の形とつながっているんですね。
競技の細かなルールまで知らなくても、「ボールを網で受けて、運び、投げるスポーツ」と分かれば、映画に出てくる道具の用途をつかめます。
ハルはラクロスのクロスで猫を助ける
物語が動き出すのは、ハルが下校途中、トラックにひかれそうになった黒猫を助ける場面です。
そこで使われるのが、ラクロスのクロス。普段はボールを扱うための道具が、この瞬間には猫を救うために使われます。
この場面については、映画紹介でも、ハルがラクロスのスティックを使って黒猫を救出する流れが説明されています。
ここで区別しておきたいのは、ハルがクロスで猫を助けたことと、ハル自身がラクロス部員であることは、同じ情報ではないという点です。
この救出場面だけを根拠に、「ハルはラクロス部に所属している」「ラクロスが得意だから助けられた」とまで断定するのは避けたいところです。まずは、手近にあった道具を救出に使った場面として捉えると、余計な設定を足さずに理解できます。
助けられた黒猫は、猫の国のルーン王子
助けられた猫は、そのまま立ち去るだけではありません。立ち上がり、人間の言葉でハルにお礼を伝えます。
その正体は、猫の国のルーン王子。ハルが王子を救ったことから、父親である猫王による「恩返し」が始まります。
このつながりは、日本テレビの公式作品紹介でも確認できます。
出典:日本テレビ「金曜ロードシネマクラブ」『猫の恩返し』紹介
つまり、ラクロスのクロスは、冒頭に置かれた珍しい小道具というだけではありません。ハルの日常と、猫たちの不思議な世界をつなぐきっかけにもなっています。
猫を助ける行動から見える、ハルの一面
ここからは、冒頭の行動についての考察です。
ハルは、猫が王子だから助けたわけではありません。後で何かをもらえると知っていたわけでもありません。相手の正体も、これから起きる出来事も分からないまま、猫を助けています。
この場面は、ハルを「助けてもらう主人公」としてだけでなく、誰かを助けることのできる人物として見る手がかりになります。
不思議な世界で困る少女、という説明だけでは見えてこない一面ですよね。冒険が始まるより前に、すでにハル自身の行動が物語を動かしています。
しかも、そのとき使うのは魔法の道具ではなく、学校生活の延長にあるスポーツ用品です。身近なものを使った救出の後に、猫が人間の言葉を話す。日常から不思議な出来事へ移る境目としても、分かりやすい流れになっています。
ただし、「ラクロスには特定の象徴が込められている」「監督がこの意味で選んだ」とまでは、制作側の説明なしには言えません。ここで考えられるのは、画面に登場する道具と、物語のつながりです。
まとめ|ラクロスの道具が、不思議な冒険の入口になる
『猫の恩返し』の冒頭に登場するスポーツはラクロスで、先に網のついた道具は「クロス」と呼ばれます。ハルはそれを使って、トラックにひかれそうになった黒猫を助けます。
助けた相手が猫の国のルーン王子だったため、そこから猫たちの恩返しが始まるのです。
道具の名前が分かると、あの場面の動きも理解しやすくなります。そしてもう一つ目を向けたいのが、ハルは冒険の始まりに、自分から誰かを救っているということ。「あの棒は何?」という疑問から振り返ると、主人公の見え方も少し変わるかもしれません。

コメント