『天空の城ラピュタ』に登場するゴリアテは、軍がラピュタ探索に使用する巨大な飛行戦艦です。ドーラ一家の飛行船と比べても圧倒的に大きく、空に浮かぶ要塞のような姿をしています。
あれだけ頑丈そうな船なのに、最後はなぜ落とされてしまったのか。ラピュタの攻撃と、パズーたちが唱えた滅びの言葉が、記憶の中で重なっている人もいるかもしれません。
先に答えると、ゴリアテは、ムスカが動かしたラピュタのロボット兵に攻撃され、破壊されて墜落します。滅びの言葉によって落ちたわけではありません。
この記事では、ゴリアテがどんな船なのか、軍とムスカがどう利用したのか、そして最後の場面が何を示しているのかを、作中の描写と考察に分けて解説します。
※ここから『天空の城ラピュタ』終盤までのネタバレを含みます。
『ラピュタ』のゴリアテとは?軍が使用する巨大飛行戦艦
人や兵器を運び、空から攻撃できる船
ゴリアテは、大勢の兵士を乗せて空を移動し、搭載した砲で攻撃できる飛行戦艦です。軍の人員をラピュタへ運ぶ役割と、邪魔になる相手を排除する役割を兼ねています。
その名称は、スタジオジブリとファインモールドが企画する模型シリーズでも「飛行戦艦 ゴリアテ」と表記されています。船の外観は、ファインモールドの公式製品一覧でも確認できます。
細長く膨らんだ船体に、砲やプロペラが組み合わされた姿は、普通の飛行船とも、海を進む戦艦とも違います。巨大な船がそのまま空に持ち上がったような、重たさのあるデザインです。
ここで大切なのは、ゴリアテはラピュタ側の兵器ではなく、ラピュタを探しに来た軍が使う船だということです。ラピュタのロボット兵や、城に備わった攻撃装置とは、所属も役割も異なります。
モウロ将軍とムスカが、同じ船でラピュタへ向かう
ゴリアテには、軍を率いるモウロ将軍と、ラピュタを調べているムスカが乗っています。ただし、同じ船に乗っているからといって、二人の目的まで一致しているわけではありません。
ラピュタへ到着した軍の兵士たちは、財宝を運び出そうとします。一方、ムスカはシータを連れ、ラピュタの中枢へ進んでいきます。
この行動の違いから、軍が目の前の財宝に目を向ける一方で、ムスカはラピュタを動かす力そのものを狙っていたと読み取れます。
ゴリアテは、そこへ到達するための手段です。軍にとって頼もしい戦艦が、ムスカにとっては自分の目的地へ行くための足でもあった。そう考えると、後の裏切りにつながる二人の距離が見えてきます。
ゴリアテとタイガーモス号は何が違う?
ゴリアテの大きさが分かりやすく伝わるのが、ドーラ一家のタイガーモス号との遭遇です。パズーとシータがドーラたちとラピュタへ向かう途中、巨大なゴリアテが近くに現れます。
タイガーモス号の側から見ると、正面から撃ち合って勝てそうな相手ではありません。ドーラたちは雲を利用して身を隠し、軍の動きを見ながら進みます。
二隻の違いを、作中での使われ方から整理すると、次のようになります。
| 船 | 使う人々 | 作中で目立つ特徴 |
|---|---|---|
| ゴリアテ | 軍、ムスカ | 巨大な船体と砲撃で相手を圧倒する |
| タイガーモス号 | ドーラ一家、パズー、シータ | 雲に隠れるなど、状況に応じて行動する |
もちろん、タイガーモス号も海賊の船です。小さいから善、大きいから悪と単純に分けられるわけではありません。それでも、この遭遇では、軍の物量に対してドーラたちが判断と連携で対処する構図になっています。
ゴリアテが現れるだけで、空が急に狭くなったように感じられる。その圧迫感が、パズーたちの旅に緊張を与えているんよな。
なお、船の大きさや速度については各種紹介記事に数値が掲載されていますが、映像から直接分かることと、資料上の設定は別です。物語を理解するうえでは、まずタイガーモス号を大きく上回る軍の戦力として描かれていることを押さえると、最後の衝撃も分かりやすくなります。
ゴリアテの最後は?ムスカが操るロボット兵に破壊される
味方として運んできたムスカが、軍を攻撃する
ラピュタの中枢に到達したムスカは、飛行石を使って城の機能を動かします。そして、そこまで協力していた軍を敵として扱い始めます。
ゴリアテはラピュタのロボット兵から攻撃を受け、船体を破壊されて墜落します。この流れは、映画スクエアの終盤の場面解説でも確認できます。
ここは、軍がドーラ一家との戦いに負けた場面ではありません。ラピュタへ連れてきたムスカが、ラピュタの力を使って、自分たちの戦艦を攻撃する場面です。
ムスカは軍の助けを借りながら、より大きな力を手にすると、その軍まで排除してしまう。ゴリアテの最後には、兵器同士の強さだけでなく、ムスカの目的に他者への配慮がないことも表れています。
ゴリアテが落ちるのは、滅びの言葉より前
終盤には、ゴリアテの墜落、ムスカとシータの対立、パズーとの再会、滅びの言葉によるラピュタ下部の崩壊が続きます。そのため、破壊の場面を一つにまとめて覚えてしまいやすいところです。
しかし、順番と原因は分けておきたい。ゴリアテはロボット兵の攻撃で破壊され、その後にパズーとシータが滅びの言葉を唱えます。
また、ムスカが見せるラピュタの強力な光の攻撃と、ロボット兵によるゴリアテへの攻撃も、同じものとして説明しない方が正確です。ラピュタには複数の攻撃手段があり、ゴリアテの最後ではロボット兵の存在が重要になります。
それまで空を覆うほどの脅威だった船が、今度は一方的に破壊される側へ回る。この変化によって、パズーたちが直面している危険の大きさも、一段階変わって見えてきます。
巨大なゴリアテが、なぜロボット兵に負けたのか
ゴリアテの最後を見ると、あれほどの船体と武装があっても防げないのか、と驚かされます。ただ、この場面から「ゴリアテは最初から弱い船だった」と考える必要はありません。
それまでゴリアテは、ドーラ一家にとって正面から戦うのを避けたい相手として描かれていました。強い船として登場したからこそ、その船を破壊するラピュタの兵器が、さらに恐ろしいものとして見えてきます。
船の大きさより、相手との技術の差が表れる
ゴリアテには砲があり、大勢の兵士が乗っています。一方、ラピュタのロボット兵は自ら空を飛び、ゴリアテへ接近して攻撃します。
この戦いでは、巨大な船体や兵士の数が、相手を退ける決定的な力になっていません。作中の結果からは、軍が備えている戦力を、ラピュタの技術が大きく上回っていると受け取れます。
ただし、装甲の材質や砲の性能など、映像だけでは分からない部分まで補って、詳細な敗因を断定することはできません。確実に言えるのは、ゴリアテがロボット兵の攻撃を防ぎ切れず、破壊されたということです。
大きくて頑丈そうなものを見れば、どうしても安心してしまう。でも、その強さが通用する相手かどうかは別なんよな。ゴリアテの墜落は、軍の頼みとしていた力が、ラピュタの前では十分でなかったことを示す場面にも見えます。
ムスカの狙いが、財宝以上のものだと分かる
ゴリアテを破壊できる力を目にすると、ムスカがラピュタの中枢を目指した理由も分かりやすくなります。彼が欲しかったのは、運び出して使う財宝だけではありません。
軍の戦艦さえ排除できるなら、その力は他の人々を従わせる手段にもなります。実際にムスカは、ラピュタの力によって世界を支配しようとする考えを示します。
ゴリアテの最後は、ムスカが手に入れようとしているものが、単なる富ではなく、他者に逆らわせない力だと伝える場面とも考えられます。
軍がラピュタを手に入れれば危険だ、という段階から、ムスカ一人がその力を握ってしまった、という段階へ進む。ゴリアテの破壊は、その変化を目に見える形で示しています。
ゴリアテの墜落が怖いのは、船だけの話ではないから
ゴリアテは人物ではありませんが、最後の場面を単なる乗り物の破壊として見るのは難しいところです。船には人が乗っており、墜落はその人々にも危険が及ぶ出来事だからです。
ラピュタで財宝を奪おうとした軍の行動に問題があるとしても、それを理由に、一方的な攻撃を当然のこととして受け取る必要はありません。
この場面で強く表れるのは、ムスカが他者の命をどう扱っているかです。自分の目的を邪魔する相手を排除し、その惨状を見て笑う。力を得た喜びと、人への冷酷さが同じ場面に現れています。
ゴリアテへの攻撃とムスカの反応は、映画スクエアの場面解説でも整理されています。
ここが怖いのは、ムスカが怒りに任せて我を忘れているようには見えないことです。自分の力を見せつけることに満足している、とも受け取れます。だから、ゴリアテが失われる場面は、ラピュタの兵器の強さと同時に、それを動かす人間の危うさも伝えてきます。
ゴリアテを攻撃するロボット兵は、シータの味方なのか
ロボット兵については、シータを守る姿の印象が強いため、「ゴリアテもシータを守るために攻撃したの?」と考えるかもしれません。
しかし、終盤でゴリアテを攻撃するロボット兵は、ラピュタの中枢を掌握したムスカによって動かされています。シータ自身が軍の戦艦を破壊するよう命じた場面ではありません。
要塞でシータを守ろうとしたロボット兵、庭園で植物や生き物と関わるロボット兵、そしてムスカが動かす戦闘用のロボット兵。同じロボット兵という呼び方でも、その場で何をしているかを分けて見る必要があります。
ここからは、ラピュタの技術に、守るためにも壊すためにも使われる面があると考えられます。ただし、すべてのロボット兵が同じ機能や意思を持つ、とまでは断定できません。
少なくとも、ゴリアテの最後を「シータと彼女の味方が軍を倒した」と説明すると、場面の意味が変わってしまいます。ムスカが軍を攻撃することと、シータがムスカの支配を止めようとすることは、別々の行動です。
ゴリアテの最後と、パズーたちの選択を比べる
ムスカは、ゴリアテを破壊できる力を手に入れ、その力をさらに使おうとします。一方、パズーとシータは最後に滅びの言葉を唱え、ラピュタの支配に使われる機能を失わせます。
二人が選ぶのは、ムスカを倒したあと、自分たちが同じ力を引き継いで支配する道ではありません。ラピュタの力を使わせないための選択です。
ゴリアテの墜落を経ているからこそ、その選択には重みが出ます。あの力があれば何が起こるのかを、二人も観客もすでに目にしているからです。
自分が使うなら大丈夫、と考えてしまいそうな力でも、持ち続けることがよいとは限らない。ゴリアテの最後は、パズーとシータが何を止めようとしたのかを具体的に示す出来事として読むことができます。
まとめ|ゴリアテは、ラピュタの力の恐ろしさを伝える飛行戦艦
『天空の城ラピュタ』のゴリアテは、軍がラピュタへ向かうために使用する巨大な飛行戦艦です。大きな船体と砲撃によって、ドーラ一家にとって脅威となります。
しかし最後は、ムスカが動かしたラピュタのロボット兵に攻撃され、破壊されて墜落します。パズーとシータが滅びの言葉を唱えるより前の出来事です。
ゴリアテの最後は、ラピュタの兵器が軍の戦力を上回ることと、その力を握ったムスカの冷酷さを同時に示しています。
あの巨大な船が落ちることで、ラピュタは憧れの天空の城であるだけでなく、人を支配できる危険な力を持つ場所として迫ってきます。だからこそ、その力を手放す二人の選択が、結末の大切な部分になるんやと思います。

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