『ラピュタ』パズーとシータのその後は?描かれた結末と未来を考察

『天空の城ラピュタ』の最後で、ドーラ一家に手を振るパズーとシータ。二人とも無事でよかったと思う一方、気になるのが「このあと、どこで暮らすの?」「ずっと一緒にいるの?」ということです。

先に答えると、映画では二人がラピュタから生還し、ドーラ一家と別れて飛び去るところまで描かれます。結婚や、その後の暮らしまで確定する場面はありません。

ただし、小説版には映画の先を描いた後日談があり、スタジオジブリの公式サイトも、その存在に触れています。映画に映っている結末、小説版で補われること、そこから想像できる未来を分けると、二人の「その後」が見えてきます。

※ここから『天空の城ラピュタ』の結末と、小説版の後日談に触れます。

『ラピュタ』の結末でパズーとシータはどうなった?

滅びの言葉を唱えても、二人は生き残っている

物語の終盤、パズーとシータは一緒に滅びの言葉を唱えます。ラピュタの下部が崩れ、激しい光と崩壊の中に二人の姿が消えるため、その瞬間だけなら無事なのか分からなくなります。

しかし、その後の場面では、大樹の根に守られて生き残った二人が描かれます。さらに、乗ってきた凧を使って脱出し、ドーラ一家と再会しています。

二人の生還は、希望的な解釈ではなく、映画の中で確認できる出来事です。ラピュタと運命を共にした、あるいは最後の飛行が死後の世界を示している、と考える必要はありません。

また、ラピュタそのものも、すべてが消え去るわけではありません。巨大な飛行石と大樹を中心とする部分は残り、空へ上昇していきます。人を支配するために使われた施設が崩れ、緑のある部分が空に残る。その違いも、結末を考えるうえで大切です。

最後に別れる相手はドーラ一家

脱出後、シータはドーラと抱き合い、パズーも海賊たちと別れの時間を過ごします。そして二人は凧に乗り、ドーラ一家に手を振りながら飛び去ります。

ここで混同したくないのは、映画の最後に描かれる別れは、パズーとシータの別れではないということです。二人は同じ乗り物に乗って、その場を離れています。

だから、映画の結末を「冒険が終わり、パズーとシータは別々の道へ進んだ」とだけ説明すると、映像で描かれたことより先まで話を進めてしまいます。少なくとも、ドーラたちと別れる時点では二人は一緒です。

一方、そのままずっと同居するのか、シータを故郷へ送り届けてから別れるのかまでは、この場面だけでは確定できません。一緒に旅立つことと、一生一緒に暮らすことは、分けて受け取る必要があります。

パズーとシータのその後は、小説版に描かれている

ゴンドアのシータに、パズーから手紙が届く

映画の先を知る手がかりになるのが、『アニメージュ文庫 小説 天空の城ラピュタ』です。徳間書店の小説版・後編の公式書籍ページでは、宮崎駿と亀岡修が著者として掲載されています。

小説版の後日談について紹介したマグミクスの記事によると、ラピュタでの出来事から半年後、シータは故郷のゴンドアに戻り、家畜の世話をしながら暮らしています。そこへ、パズーから手紙が届きます。

手紙には、パズーが製作していた鳥型飛行機・オーニソプターの完成が近いことと、完成したらシータに会いに行くという約束が書かれています。

つまり、小説版では、二人が同じ場所で暮らし続けているわけではありません。それでも、離れたあとも交流が続き、パズーが再会を望んでいることが分かります。

ここがええところなんよな。冒険が終わったから関係も終わる、という話ではない。今度は追っ手から逃げるためでも、誰かを救い出すためでもなく、会いたい相手に会うために空を飛ぼうとしているんです。

小説の後日談を、映画で描かれた場面と混ぜない

ただし、この手紙の場面は映画本編には登場しません。映画のラストを説明するときに「半年後、パズーがシータへ手紙を送る」とだけ書くと、映画にもその映像があるように伝わってしまいます。

正確には、映画は二人の脱出と旅立ちを描き、小説版はその先の生活や交流を補っているという関係です。

また、手紙で再会を約束していることから、すぐに「二人は結婚した」と結論づけることもできません。会いに行きたいという思いは読み取れても、結婚、子ども、成人後の仕事といった未来まで、その約束だけで決まるわけではありません。

「パズーがシータに会いに来る別エンディング」はある?

二人のその後を調べると、映画には別のエンディングがあり、パズーがシータを訪ねる場面が放送された、という話に出合うことがあります。

この点は、スタジオジブリが公式サイトの「2002年12月」の日誌で、別のエンディングがあるという噂を否定しています。

同じ説明では、小説版に短い後日談があることや、映画公開後に宮崎駿が描いたイラストに、その後を連想させるものがあることにも触れています。つまり、二人の未来を思わせる資料が存在することと、別の結末を持つ映画が存在することは別の話です。

こうした後日談やイラストは、映画の余韻を広げてくれます。でも、それを映画に実際に流れた映像として扱うと、どこまでが本編だったのか分からなくなってしまいます。

二人の未来を考えるなら、まずは映画の最後に戻りたいところです。パズーとシータは、ラピュタを手に入れることよりも、あの力をムスカの支配に使わせない道を選びました。そして、生きて地上へ向かいます。

その選択からは、二人がこの先どんな場所で、何を大切にして暮らそうとするのかも考えられます。結婚するかどうかだけでは拾いきれない、二人の未来の話です。

パズーとシータはその後、結婚する?

二人の関係を見ていると、このまま大人になって結婚する未来を想像したくなります。ただ、映画の結末にも、前半で紹介した小説版の後日談にも、結婚が決まったと分かる描写はありません。

小説版で示されるのは、離れて暮らす二人の交流と、パズーがシータに会いに行こうとする約束です。そこから結婚を想像することはできますが、描かれた事実として説明できる範囲とは区別したいところです。

だからといって、二人の関係が一時的なものだった、と決める理由もありません。離れてからも手紙を送り、再会を望んでいる。そのつながりには、冒険の最中だけでは終わらない親しさが感じられます。

二人の近さは、助けられるだけの関係ではないところにある

パズーとシータの関係で印象的なのは、どちらか一人だけが、もう一人を守り続けるわけではないことです。

パズーはシータを助けるために行動します。一方、要塞に捕らえられたシータも、パズーを危険から遠ざけるため、彼にラピュタから手を引くよう伝えます。結果としてパズーは傷つきますが、その場面には相手を守ろうとするシータの選択があります。

そして最後は、二人で滅びの言葉を唱えます。パズーだけがすべてを決めるのでも、シータだけが王家の責任を背負うのでもありません。

こうした描写からは、二人は相手に救われるだけでなく、自分も相手のために選び、行動する関係と考えられます。その信頼があるから、冒険の先にも関係が続く未来を想像できるんちゃうかな。

ただし、危険を乗り越えたことだけで、将来の暮らしまでうまくいくと保証されるわけではありません。二人が大人になって何を望むのかは、まだ描かれていない。そこを残しているからこそ、結婚する未来も、離れた土地で交流を続ける未来も考えられます。

シータのその後を考えると、地上へ戻る選択が大切になる

シータはラピュタ王家の末裔ですが、結末では王として君臨する道を選びません。ムスカに対しては、土や自然と結びついた暮らしの大切さを語ります。

この言葉と、ラピュタの力を支配に使わせないための行動をつなげると、シータが大切にしているのは、王家としての地位よりも、人が生きていける暮らしだと受け取れます。

小説版で故郷のゴンドアに戻っていることも、その方向と重なります。ただし、これは「シータは都会や技術をすべて嫌っている」という意味ではありません。パズーの家でも、ドーラの飛行船でも、彼女は人と関わりながら生活しています。

ラピュタの後継者としてどう生きるかを、血筋だけで決められずに済む。シータの生還には、そうした自由を取り戻す意味もあるのかもしれません。

生き残ったあと、すぐに元どおりになるわけではない

小説版の後日談を紹介するマグミクスの記事では、シータがラピュタでの恐ろしい体験から、時間をかけて落ち着きを取り戻していることにも触れられています。

この部分を踏まえると、故郷での暮らしは、単に冒険前へ戻ることではないと考えられます。同じ土地で同じ作業をしていても、経験したことが消えるわけではありません。

無事に逃げられてよかった。でも、怖かったことまで、その瞬間に全部終わるわけではないんよな。日々の世話や仕事を重ねながら、少しずつ安心できる生活を取り戻す。そこにも、冒険の「その後」があります。

この描写は小説版のものであり、映画がその回復の過程まで映しているわけではありません。ただ、二人の未来を考えるうえで、再会や恋愛だけではない大切な手がかりになります。

パズーの夢は、ラピュタを見つけたあとも続いていく

パズーは、父が見た天空の城が本当に存在することを確かめようとしていました。その願いは、ラピュタへたどり着くことで実現します。

けれど、到着した城で待っていたのは、夢の景色だけではありません。ムスカがラピュタの力を使い、人を支配しようとする姿も目にします。パズーは最後に、シータと一緒に、その力を使わせない道を選びます。

ここからは、憧れの場所を見つけることと、その場所を自分のものにすることは違うと考えられます。父の見た城が存在したという事実は、ラピュタを所有しなくても、パズーの中に残ります。

そして小説版では、自分で作っていた飛行機の完成を目指しています。ラピュタへ行く夢が終わっても、空を飛ぼうとする気持ちまで終わったわけではないのです。

その飛行機で会いに行きたい相手が、シータです。小説の後日談からは、空への憧れが、誰かとのつながりにも向かっていると読めます。遠くに何があるか知りたい気持ちと、遠くにいる人へ会いたい気持ち。その両方が、これからのパズーを動かしていくのかもしれません。

まとめ|『ラピュタ』のその後は、再会への希望が残る結末

『天空の城ラピュタ』の映画で確認できるのは、パズーとシータが生還し、ドーラ一家と別れて一緒に飛び去るところまでです。結婚や成人後の暮らしは描かれていません。

一方、小説版には、ゴンドアで暮らすシータにパズーから手紙が届き、再会を約束する後日談があります。スタジオジブリも公式サイトの日誌で、小説の後日談や、その後を連想させるイラストの存在に触れています。

二人の未来は、結婚まで確定したものではありません。それでも、冒険のあともつながりが続くことを示す手がかりはあります。

ラピュタを離れた二人には、これから暮らす場所や、会いに行く相手を選ぶ時間が残されています。映画の最後は、その人生をすべて説明する場面ではなく、二人が無事にそこへ進めるようになった場面とも受け取れます。

いつかパズーが飛行機を完成させ、シータのいる空へ向かう。そんな未来を想像できる余白が、この結末にはあるんやと思います。

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