『魔女の宅急便』キキとウルスラの声優は同じ?二役の演技を紹介

『魔女の宅急便』のキキと、森で絵を描いているウルスラ。二人の会話を聞いて、「声が似ている気がする」「もしかして同じ声優?」と気になった方もいるのではないでしょうか。

1989年公開のアニメ映画『魔女の宅急便』の日本語版では、キキとウルスラを、どちらも高山みなみさんが演じています。

主人公と、その主人公を支える人物を一人で担当しているのです。ただし、同じ声優だからといって、二人が同じ人物という設定ではありません。映画の中では、それぞれ別の暮らしを持つ人物として出会い、会話しています。

この記事では、公式に確認できる配役を紹介したうえで、キキとウルスラの声の印象、二人の会話で注目したい演技の違いを考えていきます。

※ここから、キキが飛べなくなった時期や、ウルスラとの会話の内容に触れます。

キキとウルスラの声優は、どちらも高山みなみ

キキとウルスラの一人二役は、公式のキャスト情報で確認できます。

ウォルト・ディズニー・ジャパンの『魔女の宅急便』作品ページでは、高山みなみさんの担当役が「キキ/ウルスラ」と記載されています。日本テレビの「金曜ロードシネマクラブ」でも、同じ配役が紹介されています。

確認元:ディズニー公式『魔女の宅急便』作品情報/日本テレビ『魔女の宅急便』キャスト・スタッフ

ここでいう配役は、スタジオジブリのアニメ映画の日本語版についてです。外国語の吹き替え版や、実写映画、舞台などを含めて、すべて同じ配役という意味ではありません。

二人が直接話す場面もあるため、キキとウルスラの会話では、高山さんが演じた声同士がやり取りしていることになります。

ただし、完成した映画から分かる配役と、実際の収録方法は別の情報です。二役をどの順番で録音したのか、どのように切り替えたのかについては、確認できる制作資料なしに説明することはできません。

同じ声優でも、キキとウルスラの印象が違うのはなぜ?

二人の演技を比べるときは、声が高いか低いかだけでなく、言葉の勢いや、相手への話しかけ方に注目すると違いを捉えやすくなります。

キキは、新しい街で生活を始める主人公です。仕事相手への受け答え、ジジとの会話、トンボへの反応など、場面によって気持ちが揺れ動きます。

ウルスラは、森の小屋で絵を描いて暮らしている人物です。キキに対しては気さくに接し、悩みを聞く場面では、自分の経験を交えながら話します。

演じ分けは、声そのものの違いに加えて、「その場で相手とどう関わっているか」にも表れていると考えられます。

以下は、公式に示された演技方針ではなく、映画の人物描写と声の印象を合わせた見方です。

注目する点キキウルスラ
会話する立場新しい暮らしの中で、助けを求めたり応対したりするキキを迎え、自分の経験を伝える
声の印象期待や戸惑いが、言葉の勢いに表れる気さくで、肩の力が抜けた印象がある
悩みを話す場面自分に起きている変化を、まだ理解しきれずにいる過去の経験を振り返りながら話す

キキの演技では、背伸びと不安の両方に注目したい

キキは、ひとり立ちに前向きな気持ちを持っています。しかし、新しい街に来たからといって、すぐに何もかも分かるわけではありません。

仕事を始めれば、相手にきちんと受け答えをする必要があります。自分の気分だけで行動できない場面も出てきます。一方で、友達との関わりでは戸惑い、思うように気持ちを伝えられないこともあります。

そのため、キキの声を一つの特徴だけで説明するのは難しいでしょう。元気な場面には勢いがあり、困った場面では言葉の調子が変わります。周囲に合わせようとする受け答えからは、背伸びをしているような印象も受け取れます。

この変化が、キキを「いつも明るい魔女の女の子」というだけでは捉えられない人物にしています。

飛べなくなったときは、答えを持っていない声として聞ける

キキが飛べなくなった時期には、それまで頼りにしていた力が使えなくなります。本人にも理由がはっきり分からず、どうすればよいのか迷っています。

ウルスラとの会話では、キキは解決策を説明する側ではありません。自分に起きていることを話し、相手の言葉を受け取る側です。

ここでの演技は、悲しさだけでなく、分からないことを分からないまま話す戸惑いとして聞くこともできます。

キキの不安は、感情を強く表すところだけでなく、相手に尋ねたり、返事を待ったりする会話の中にも見えてきます。

一人で何とかしようとしていたキキが、別の人の経験に耳を傾ける。その変化に注目すると、ウルスラとの場面が持つ意味も分かりやすくなります。

ウルスラの演技では、気さくさと経験を語る落ち着きが重なる

ウルスラは、キキに対して堅苦しい態度を取りません。森で出会う場面から、遠慮しすぎず、率直に話す人物として描かれています。

声の印象にも、そうした気さくさを感じ取ることができます。キキを特別扱いして持ち上げるのでも、何も知らない子どもとして一方的に教えるのでもなく、自然に話しかけています。

そして、キキが悩む場面では、自分も絵を描くことに行き詰まった経験を伝えます。そのため、言葉には「今はうまくいかなくても、そういう時期を知っている」という立場が加わります。

ただし、ウルスラはすべてを解決できる人物ではありません。キキの魔法を直接直せるわけではなく、自分の経験を手がかりとして差し出しています。

キキの答えを探す声と、ウルスラの経験を振り返る声。その違いが、二人の会話を支えていると考えられるでしょう。

同じ高山みなみさんの声でも、話している人物の立場が違う。そのことが、二役の演技を聞くうえで面白いポイントです。

二役の演技を比べるなら、森の小屋での会話に注目

キキとウルスラの演じ分けを聞くなら、キキが森の小屋を訪ね、飛べなくなったことについて話す場面が分かりやすいでしょう。

この場面では、一人が長く説明して終わるのではなく、キキの問いかけとウルスラの返答が重なって、会話が進みます。同じ声優が担当していても、二人の立場を聞き分けられるところに注目したい場面です。

キキは、今まさに自分の力が使えなくなって困っています。一方のウルスラは、自分にも絵を描けなくなった経験があることを話します。

現在の不安を話すキキと、過去の経験を振り返るウルスラ。その時間の違いが、声のやり取りにも感じられます。

質問するキキと、急いで答えを押しつけないウルスラ

キキの言葉には、自分に何が起きているのかを知りたい気持ちがあります。ウルスラの話を聞きながら、絵を描くことと魔法の間にある共通点を探しているようにも見えます。

ウルスラは、キキの魔法について専門的に説明できる人物ではありません。そのため、キキに起きていることを断定するのではなく、自分の創作の経験を通して話します。

このやり取りでは、声の大きな変化だけを追うより、質問のあとにどう返すのか、相手の言葉を受けて調子がどう変わるのかを聞くと、二人の距離が捉えやすくなります。

会話の内容を知っていても、声に注意を向けると別の面が見えてきます。キキはどこで少し安心したように聞こえるのか。ウルスラはどこで自分のことを考えながら話しているように聞こえるのか。そうした問いを持つと、単に「声が似ているか」の比較から一歩進めます。

同じ声だから、ウルスラは未来のキキなの?

一人二役を知ると、「ウルスラは成長したキキを表しているのでは?」と考えたくなるかもしれません。

まず、物語の設定として、キキとウルスラは別々の人物です。ウルスラが未来から来たキキである、あるいはキキの想像の中にだけ存在する、という説明は本編にはありません。

また、前半で紹介した公式キャスト欄が確認できるのは、高山みなみさんが二役を担当しているという事実です。配役の記載だけから、制作側が二役にした理由まで導くことはできません。

確認元:ディズニー公式『魔女の宅急便』キャスト情報

ただし、人物の関係を考えるうえで、ウルスラを「キキより少し先に、似た悩みを経験した人」として読むことはできます。

キキは、自分の力との付き合い方を模索している途中です。ウルスラもすべてを分かっているわけではありませんが、描けない時期を経験し、そこから自分の絵について考えてきた人物です。

ウルスラを成長の先にいる人物として捉えることと、二人を同一人物だとすることは、分けて考える必要があります。

同じ声の響きが二人にあることで、遠い他人の助言というより、自分にも関係する経験として感じられるかもしれません。これは配役と物語を合わせた解釈であり、収録時の演技指示や監督の発言を示すものではありません。

声が似ているところにも、二役の面白さがある

二役の演技というと、「どれだけ別人の声になっているか」に目が向きがちです。しかし、キキとウルスラの場合は、共通する響きがあることにも耳を向けられます。

二人は、魔法と絵という違う力を使っています。それぞれ自分の道を選び、その力が思いどおりに使えない不安にも向き合っています。

性格や話し方には違いがあっても、悩みが完全に無関係なわけではありません。同じ声優が演じていると知ったうえで会話を聞くと、その近さが感じられることもあるでしょう。

同じ声の持ち主が、片方では迷いを口にして、もう片方では迷った経験を語っている。そう考えると、この場面には少し不思議な奥行きがあります。

「今は分からへんことも、少し先では違う言葉で話せるかもしれない」。二人の会話は、そんな可能性を感じさせるものとしても受け取れます。

もちろん、キキが必ずウルスラと同じ生き方をするということではありません。ウルスラの経験を聞きながら、キキはキキ自身の力と暮らしに向き合っていきます。

二役を知ると、二人の表情と声の組み合わせも見えてくる

声の違いを聞くときは、映像の表情や動きも合わせて見ると、人物の印象がどう生まれているかを考えやすくなります。

キキの戸惑う表情に、問いかける声が重なる。ウルスラの気さくな振る舞いに、率直な話し方が重なる。声だけで人物が成立しているのではなく、絵と演技が合わさって、それぞれの存在感になっています。

そのため、「ウルスラは低い声、キキは高い声」と一つの違いだけで整理するより、場面ごとに聞き比べるほうが豊かです。キキにも勢いよく話す場面があり、ウルスラにも静かに自分の経験を語る場面があります。

二人がどんな感情で、誰に向かって話しているかを見ると、一人二役の演技が人物の関係をどう支えているかに気づきやすくなります。

まとめ|キキとウルスラは、高山みなみが演じる別々の人物

アニメ映画『魔女の宅急便』の日本語版では、キキとウルスラの声優は、どちらも高山みなみさんです。公式のキャスト情報でも、一人二役であることが確認できます。

キキの演技には、新しい暮らしへの期待や、思いどおりにいかない戸惑いが表れます。ウルスラの演技には、気さくに接する姿勢と、自分の経験を振り返る落ち着きを感じ取ることができます。

特に森の小屋での会話は、悩みの途中にいるキキと、似た行き詰まりを経験したウルスラの違いが伝わる場面です。

同じ声優が演じていても、二人はそれぞれの経験を持つ別の人物。その違いと、悩みを分かち合える近さの両方が、二役の演技を聞く面白さです。

声が似ている瞬間だけでなく、返事の調子や言葉の勢いにも耳を向けると、二人の会話をより細かく味わえるのではないでしょうか。

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