実写映画『耳をすませば』の主なロケ地には、和歌山県のポルトヨーロッパ、千葉県の佐倉マナーハウス、神奈川県の横浜市立金沢動物園があります。
イタリアの街並み、地球屋の外観、高台の場面は、それぞれ異なる国内の場所で撮影されています。
『耳をすませば』と聞くと、アニメ映画のモデル地として知られる聖蹟桜ヶ丘を思い浮かべるかもしれません。しかし、2022年公開の実写版の撮影場所は、それとは分けて確認する必要があります。
この記事では、施設の公式発表と制作プロデューサーのインタビューから確認できるロケ地を紹介します。物語の結末そのものには踏み込みません。
実写『耳をすませば』の主なロケ地一覧
まず、確認できた主な撮影場所と、映画での使われ方を整理します。以下は全撮影場所を網羅した一覧ではありません。
| 撮影場所 | 所在地 | 映画での使われ方 |
|---|---|---|
| ポルトヨーロッパ | 和歌山県和歌山市 | イタリアの街並みを描く場面 |
| 佐倉マナーハウス | 千葉県佐倉市 | 地球屋の外観 |
| 横浜市立金沢動物園 | 神奈川県横浜市 | 街を見渡す高台の場面 |
撮影場所と選定の経緯は、松竹の西麻美プロデューサーが、LOCATION JAPANのインタビューで説明しています。
イタリアの街並みは和歌山のポルトヨーロッパ
聖司が暮らすイタリアの街を表現する撮影には、和歌山マリーナシティにあるポルトヨーロッパが使われています。
施設の公式サイトにも、『耳をすませば』の撮影実績が掲載されています。
制作側のインタビューによると、当初はイタリアでの撮影を予定し、現地の下見も行っていました。しかし、コロナ禍の影響で断念し、国内で撮影できる場所を探すことになったそうです。
その結果、ヨーロッパの街並みを表現できるポルトヨーロッパが選ばれました。さらに、一部では現地の建物とイタリアの街の映像を合成しています。
画面に映る街全体が、現地にそのまま存在するわけではないという点は押さえておきたいところです。
映画の風景は、撮影場所の魅力に、美術や映像の工夫が重なって生まれています。「ここがあの街に見えていたんか」と分かると、背景の見方も少し変わりそうです。
地球屋の外観は千葉県の佐倉マナーハウス
雫が訪れるアンティークショップ「地球屋」の外観には、千葉県佐倉市の佐倉マナーハウスが使われました。
運営会社のタスマンインターナショナルも、映画の撮影に使用されたことを公式に発表しています。
出典:タスマンインターナショナル公式「映画『耳をすませば』の撮影に佐倉マナーハウスが使われました」
地球屋は、雫がバロンと出会い、それまで知らなかった世界に触れる重要な場所です。実写では、現実の建物によって、その入口を表現しています。
ただし、佐倉マナーハウスが使われたのは外観で、地球屋の内部はセットです。
そのため、実際の店内に入れば映画と同じ配置でバロンや古時計が置かれている、とは限りません。訪問先の空間と、映画のために作られた室内は別のものです。
映画で外観から室内へ場面が移ると、一つのお店のように自然につながって見えます。撮影場所を知ると、そのつながりを作る美術や編集の働きにも気づけます。
高台の場面は横浜市立金沢動物園で撮影
街を見渡す高台の場面は、横浜市立金沢動物園で撮影されました。
制作プロデューサーは、街の見え方に加え、俳優が演技できる広さや、撮影機材を置ける条件も含めて場所を探したと説明しています。
出典:LOCATION JAPAN・西麻美プロデューサーのロケ地解説
「景色が似ている」だけでは、映画の撮影場所として成立するとは限りません。人物をどこに立たせるか、カメラをどこに置くかといった条件も必要になります。
高台の場面を見るときも、背景の街並みだけでなく、二人が同じ景色を眺められる空間に注目すると、場所選びの意味が感じられそうです。
なお、今回確認できた制作側の説明では、施設内の詳しい撮影位置や、現在そこまで立ち入れるかという情報までは確認できませんでした。映画の画角を頼りに、公開範囲外の場所を探すことは避けたいところです。
聖蹟桜ヶ丘は実写版のロケ地と同じ?
聖蹟桜ヶ丘は、アニメ映画『耳をすませば』のモデル地として知られる地域です。一方、この記事で紹介したのは、実写映画の撮影に実際に使われた場所です。
アニメのモデル地と、実写版のロケ地は、同じ意味ではありません。
特に、実写版の高台を「アニメで知られる聖蹟桜ヶ丘のあの場所」と思い込むと、撮影場所の説明を取り違えてしまいます。
アニメで描かれた街を歩きたいのか、俳優たちが撮影した場所を訪れたいのか。目的に合わせて調べる情報を選ぶと、見たい風景に近づきやすくなります。
ロケ地を訪れる前に確認したいこと
撮影当時の利用条件と、現在の一般客向けの利用条件は異なります。訪問前には、各施設の公式案内で営業日、入場条件、撮影ルールを確認してください。
また、地球屋の内部はセットで、イタリアの街並みには合成も使われています。現地と映画に違いがあっても、それは撮影場所の情報が間違っているという意味ではありません。
同じ写真を撮ることだけにこだわるより、「この場所から、あの場面が生まれたんやな」と見てみる。そんな楽しみ方もできるのではないでしょうか。
まとめ|実写版の世界は複数の国内ロケ地で作られている
実写『耳をすませば』では、イタリアの街並みにポルトヨーロッパ、地球屋の外観に佐倉マナーハウス、高台の場面に横浜市立金沢動物園が使われています。
一方で、地球屋の室内はセット、街並みの一部は合成です。実在の撮影場所と、映画として完成した風景を分けて知ることが、ロケ地を楽しむ手がかりになります。
アニメのモデル地との違いも踏まえると、実写版がどんな場所を組み合わせて『耳をすませば』の世界を表現したのか、より具体的に見えてきます。

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