『耳をすませば』猫の名前は?ムーンと呼ばれる猫を紹介

『耳をすませば』で、雫が電車の中で出会う大きな猫。堂々と座っている姿や、街を慣れた様子で歩く姿を見て、「この猫、名前は何やったかな?」と気になった人もいるのではないでしょうか。

猫の名前は「ムーン」です。天沢聖司がそう名づけて呼んでいます。ただし、作中には近所の子が「ムタ」と呼ぶ場面もあり、呼び名は一つではありません。

また、地球屋に飾られている猫の人形「バロン」と、街を歩くムーンは別の存在です。どちらも猫なので、名前と姿を整理すると分かりやすくなります。

この記事では、1995年公開のアニメ映画『耳をすませば』を中心に、ムーンの呼び名や登場場面、雫の物語で果たす役割を紹介します。

※ここから『耳をすませば』の登場場面や物語の展開に触れます。

『耳をすませば』の猫の名前はムーン

雫が出会う、ふっくらとした体つきの猫は「ムーン」と呼ばれています。この呼び名をつけたのは聖司です。

日本テレビの公式コラムでも、聖司が名づけた猫として紹介されています。名前を確認したい場合は、金曜ロードショーの「耳をすませば」制作裏話第2弾を参照してください。

ここで少しややこしいのは、「ムーン」という名前を知っても、別の場面では違う呼び方が聞こえることです。聞き間違えたわけでも、似た猫が何匹もいるという意味でもありません。

「ムタ」も、同じ猫の呼び名

作中では、近所の子がムーンを「ムタ」と呼ぶ場面があります。こちらも日本テレビの公式コラムで確認できる情報です。

つまり、「ムーンかムタか、どちらかだけが正しい」という関係ではありません。聖司が呼ぶ名前と、近所の子が呼ぶ名前が違うのです。

この違いを知ると、ムーンが雫と聖司だけの世界にいる猫ではないことが見えてきます。雫が知らなかったところにも、この猫を知り、声をかける人がいるんですね。

同じ猫でも、出会う場所や相手によって呼ばれ方が変わる。そんな小さな描写が、街の中で暮らしている感じにつながっています。

ムーンとバロンは別の猫

『耳をすませば』には、ムーンのほかに「バロン」という猫も登場します。ただし、こちらは地球屋に置かれている猫の人形です。

名前どんな存在?見分けるポイント
ムーン雫が街で出会う猫ふっくらした体つきで、電車や街中に登場する
バロン地球屋にある猫の人形服を着た紳士の姿をしている

日本テレビの作品紹介でも、バロンは雫が物語の主人公にする猫人形として説明されています。二匹の区別は、金曜ロードショーの作品紹介でも確認できます。

電車に乗っていた猫の名前を探しているならムーン、服を着た猫の人形について知りたいならバロン。このように分けて覚えると混乱しません。

ムーンはどこに登場する?電車から始まる雫との出会い

ムーンが印象的なのは、ただかわいい猫として登場するだけではなく、雫が知らない場所へ足を運ぶきっかけになるところです。

最初の出会いから地球屋へたどり着くまでを追うと、日常の風景が少しずつ冒険に変わっていく様子が見えてきます。

電車の中でも落ち着いている猫

雫は、乗っていた電車の中でムーンを見つけます。人間に囲まれていても、その猫は落ち着いた様子です。

猫が電車にいるだけでも珍しいのに、当の本人は特別なことをしているつもりなどなさそう。この、人間の驚きと猫の平然とした様子の差が、場面のおもしろさになっています。

ムーンは、自分の事情を言葉で説明してくれるわけではありません。どこへ行くのか、何を考えているのかも分からない。だからこそ、雫の好奇心が動きます。

「この猫、どこへ帰るんやろ」。そんな疑問が、そのまま次の行動につながる場面です。

後を追った雫が地球屋にたどり着く

雫は電車を降りた猫の後を追い、坂道や住宅地を進んでいきます。そして、たどり着いた先で地球屋を見つけます。

ムーンが人間のように目的を説明して案内したわけではありません。それでも、物語の流れとしては、雫を新しい場所へ導く役割を担っています。

猫を追いかけるという小さな寄り道が、バロンや地球屋との出会いにつながる。ムーンは、雫の行動範囲を広げるきっかけになっているのです。

ここで「ムーンは最初から雫を導こうとしていた」と断定する必要はないでしょう。猫の意図が説明されないからこそ、偶然の出会いにも、不思議な案内にも見える余地があります。

ムーンの性格は?人間に合わせすぎないところが魅力

ムーンは、人懐っこく愛嬌を振りまく猫としては描かれていません。雫が気にしていても、自分のペースを崩さない。その態度には、どこかふてぶてしい印象もあります。

ただし、これは人間側から見た受け取り方です。ムーンが雫を嫌っているとか、人間を見下しているとまで決めつけることはできません。

むしろ、その気持ちがはっきり分からないところに、猫らしさがあります。人間の物語に登場していても、人間の都合に合わせて動く存在にはなっていないんですね。

雫にとっては忘れられない出会いでも、ムーンにとってはいつもの散歩だったのかもしれない。そう考えると、二人の温度差もおもしろく感じられます。

そして、ムーンを知っていた聖司と話すことで、雫にとっての「不思議な猫」は、二人に共通する話題にもなっていきます。猫をめぐる会話から、相手の知っている街の一面が見えてくるのです。ムーンは『猫の恩返し』のムタにつながる猫

ムーンについて調べると、『猫の恩返し』に登場する「ムタ」という名前も出てきます。見た目が似ているだけなのか、作品同士につながりがあるのか、気になるところです。

日本テレビの公式解説では、『耳をすませば』のムーンが、『猫の恩返し』ではムタとして登場すると紹介されています。

また、柊あおいさんが『猫の恩返し』の原作を書き下ろす際に、ムタとして採用されたという制作上の経緯も説明されています。詳しくは、金曜ロードショーの「耳をすませば」制作裏話第1弾で確認できます。

共通するキャラクターでも、作品内での役割は違う

『耳をすませば』のムーンは、雫が日常の街で出会う猫です。人間の言葉で事情を説明したり、雫に進路の助言をしたりするわけではありません。

一方、『猫の恩返し』のムタは、主人公ハルを猫の事務所へ案内し、言葉を交わしながら物語に関わります。

この違いがあるため、「ムーンがその後、どのような出来事を経てムタになったのか」と、二作品を一続きの経歴として説明するのは慎重にしたいところです。

キャラクターが別作品にも登場するという制作上のつながりと、物語の時間がそのまま続いていることは、分けて考えられます。

まずは『耳をすませば』ではムーン、『猫の恩返し』ではムタという呼び名と役割を押さえると、整理しやすくなります。

原作のムーンは黒猫|アニメ映画とは姿が違う

もう一つ、ムーンには原作漫画とアニメ映画で外見の違いがあります。

日本テレビの公式コラムによると、柊あおいさんの原作では黒猫でした。アニメ化にあたって色が変更され、ふっくらした体つきの猫になったと紹介されています。

映画のムーンを先に知っていると、黒猫だったという情報は少し意外かもしれません。あの丸い体つきや、どっしりした座り方が、キャラクターの印象に強く結びついているからです。

映画のムーンは、姿と動きで存在感を出している

人間の登場人物なら、会話によって性格を説明できます。しかし、ムーンにはそうした説明がありません。表情、体つき、歩き方、人に呼びかけられたときの反応などから、見る側が印象を受け取ります。

丸い体の猫が電車の座席に落ち着いている。それだけで、周囲を気にしないような雰囲気が伝わってくるんですね。

もちろん、「体が大きいから性格も図太い」という設定が確定しているわけではありません。外見と振る舞いが重なることで、そう感じさせる描写になっている、と捉えるのが自然でしょう。

原作との違いを知ったうえで映画に戻ると、ムーンが言葉を使わず、どのように存在感を出しているかにも目を向けられます。

ムーンがいることで、いつもの街が少し違って見える

ムーンの役割を考えるとき、地球屋までの道のりにも注目したくなります。

雫が歩くのは、遠い異世界ではありません。電車が走り、住宅が並び、坂道が続く街です。けれど、猫の行き先を追うことで、そこが「まだ知らない場所」へと変わっていきます。

この場面では、何か特別な能力を手に入れてから冒険が始まるわけではありません。雫自身の好奇心が、次の景色へ進むきっかけになっています。

猫の行き先を気にする雫にも、物語が表れている

ムーンだけを見れば、街を歩く猫です。そこに興味を持ち、後を追うのは雫の側です。

読書好きな雫が、目の前の不思議をそのまま通り過ぎず、続きを知ろうとする。その行動は、彼女が物語にひかれる性格とも重ねて受け取れます。

ムーンは雫を新しい場所へ導く猫であると同時に、雫の「知りたい」という気持ちを引き出す存在にも見えます。

ただし、これは場面から考えられる解釈です。ムーンが雫の才能を見抜いていたとか、将来を変えるために現れたとまで、意味を決める必要はありません。

行き先の分からない猫を、ちょっと追いかけてみる。その小さな行動だけで、十分に物語が動いているのです。

名前を知ると、不思議な猫が身近になる

最初、雫にとってムーンは素性の分からない猫です。ところが、聖司もその猫を知っていて、呼び名までつけていたことが分かります。

自分だけの不思議な出会いだと思っていたものが、誰かと共有できる話題になる。そこから、相手を少し身近に感じられることもあるでしょう。

ムーンを追う場面には冒険の楽しさがあり、その名前を知る場面には、人との距離が近づく楽しさがある。猫一匹を通して、この二つがつながっていると考えられます。

大きな事件を起こさなくても、人と人を結びつけることはあるんよな。ムーンの存在感は、そうしたさりげない関わり方にもあります。

まとめ|『耳をすませば』の猫はムーン、呼び名は一つではない

『耳をすませば』で雫が電車の中で出会い、後を追う猫は「ムーン」です。聖司がつけた呼び名で、作中には近所の子が「ムタ」と呼ぶ場面もあります。

また、ムーンは街を歩く猫であり、地球屋にある猫人形のバロンとは別の存在です。『猫の恩返し』にはムタとして登場し、原作漫画では黒猫だったという違いもあります。

ムーンは名前を覚えるだけでなく、雫を地球屋へ導き、聖司との共通の話題にもなる猫として見ると、その役割が分かりやすくなります。

人間の事情に合わせて説明してくれないまま、自分のペースで歩いていく。その猫を気にかけたことで、雫の知っている世界が少し広がる。ムーンには、そんな出会いの楽しさが詰まっています。

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